2011-08-23

なぜこれほどの尊い命が失われてしまったか 検死医が目の当たりにした“津波遺体”のメッセージ, 吉田典史 (週刊ダイヤモンド)

なぜこれほどの尊い命が失われてしまったか
検死医が目の当たりにした“津波遺体”のメッセージ


2011年8月23日 週刊ダイヤモンドオンラインの記事。杏林大学准教授・高木徹也氏(法医学)の話。

「海や川、プールなどで亡くなる溺死とは、遺体の状況が違った。これら狭義の意味での溺死は、気道に大量の水が一気に入り込み、呼吸ができなくなり、死亡する。今回の場合は、9割以上が津波による溺死ではあるが、それに複合的な要因が重なり、亡くなったと診断できるものだった」

その複合的な要因とは、主に次の4つのものだという。これらの要因のうち、いずれかがほぼ全ての遺体に見られた。高木氏は検死の際、遺体がこれらのうちどれに該当するかを診ていく。

1つは、胸部圧迫による死亡。圧迫を与えたものとして考えられ得るのは、たとえば船や車、家、がれき、さらに押し寄せる波の水圧など。これらが胸や腹部に時速数十キロのスピードで当たり、呼吸ができなくなった可能性がある。

2つめは、一気に大量の水を飲み込むことでの窒息。3つめは、いわゆる凍死。当日、津波に襲われた後、冷たい波の中で木などにつかまり救援を待ったが、寒さで体温が下がり、息を引き取った例がこれに該当する。

4つめは外圧によるもの、たとえばがれきが頭に当たり、脳挫傷などになり死亡したことが考えられる。

遺体にまつわる話は、タブー視されている傾向がある。震災から数ヵ月が経つにもかかわらず、津波に巻き込まれた遺体はどうなっているのかなど、踏み込んだ記事はほとんどない。

実際に人の命を守るためにはこのような知見が非常に重要だ。
被害を知ることで対策が立てられる。亡くなられた方々の死因をきちんと調べることで、防災に役立つ知見が得られる。

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