2013-12-10

喜嶋先生の静かな生活, 森博嗣

2013-12-10 読了
講談社文庫

短編集に含まれていた話を長編化。あらすじはもちろんほぼ同じだが、主人公(僕)を中心とした話が増えているので問題なく楽しめる。

新書「科学的とはどういう意味か」よりも先にこの本の単行本が出ているようだが、結構その主張が小説ににじみ出ているように感じる。

まさに(おそらく)学生時代に大学でしか経験できない「研究」。しかしこのような経験ができる大学生はどれだけいるだろうか。

2013-12-08

人間はいろいろな問題についてどう考えていけばよいのか, 森博嗣

2013-12-08 読了
新潮新書

抽象的思考のすすめ、か。しかしそのように簡単にまとめてしまうことの弊害も述べられていたような気がする。

2013-11-23

Kill'em All, Metallica

2013-11-23 購入

こちらも前からLPは持っていたがようやくCDで買い直した。
やっぱりCDのレーベル面にあるMetallicaのロゴが、"St. Anger" のころの(?)鈍ったやつ。買った商品は最近の再発盤なのに。CDも一部の電化製品と同じで、型番だけ変えて「新商品」として売っているのか(?)

2013-11-20

Master of Puppets, Metallica

2013-11-19 CD購入
2013.8.7 ユニバーサルミュージック合同会社発売盤

LPはもっているのだがすでに聴けないので、ようやくCDを購入。
CDの盤面に印刷されているロゴがオリジナルと異なり、ちょっと前(?)のとげとげしたものだったのがガックリ。

2013-11-17

リスクのモノサシ 安全・安心生活はありうるか, 中谷内一也

NHKブックス
2013-11-17 読了

内容は前半と後半の2つに大きく分かれる。

前半では、研究者、マスメディア、情報の受け手、それぞれの点での特性を検討し、リスク情報を出す側が、誰でもわかり易く標準化されたモノサシ(たとえばガンや交通事故での死亡率など5項目程度の確率のセット)とともに、伝えようとしているリスク情報の確率を伝えることを提案している。

後半ではたとえば一般市民の政府や各種機関・企業などに対する信頼がどのようなプロセスを通して形成・失墜・回復しうるかという、主として情報を受け取る側の心理・認知面のメカニズムを探ることで、情報を出す側・施策や事業を行う側がとるべき方向性を議論している。

その上で、新しいリスク情報は、目前に明らかに危機が迫っているというようには感じないので、ほぼ安全な場合でもその情報を見聞きすると、安心ではなく不安になる、ということで、「安全・安心」はありえない、という。

後半部が特に面白い。

2013-09-14

国盗り物語 (1〜4), 司馬遼太郎

新潮文庫
2013-09-14 読了 (4回目?)

前半が斉藤道三編、後半が織田信長編ということだが、後半はどちらかというと明智光秀が中心。「あとがき」に書いているように、当初は斉藤道三だけを書くつもりだったので「国盗り物語」というタイトルにしたようだ。太閤記の秀吉もそうだが、道三も、なんの足がかりもない美濃で、まさに徒手空拳でのし上がっていくところは爽快ですらある。追いやられた土岐氏にとってはとんでもないかもしれないが。

両者(道三と光秀)の描写のせいもあるだろうが、前半は、権謀術数のかぎりを尽くしているが、カラッとした印象。それに対して後半は、どうしても湿った感じを受ける。

2013-09-01

地下鉄に乗って, 浅田次郎

講談社文庫
2013-09-01 読了 (4回目?)

地下鉄(メトロ)に乗って、と読むらしい。
ドラマティックな展開がたまらない。読後感は非常に重い。

昭和初期(?)のノスタルジーにもひたれる。昔の地図などを探して見たくなる。

タイムスリップものは、いろいろとツッコミどころがあるが、そんなヤボなことはどうでもよい。とにかく楽しめる。

2013-08-25

不倫と南米, 吉本ばなな

幻冬舎文庫
2013-08-25 読了

本のタイトルにある2つの言葉をキーワードとした短篇集。話の内容はさらに「死」がキーワードとなっている。実際に、アルゼンチンなどを旅し、それを素材に小説を書く、という企画らしい。

ストーリーも良いが、とにかく日本語が巧みというか綺麗。とても真似できないが、綺麗さを味わうことはできる。それが嬉しい。

2013-08-11

遺伝子の不都合な真実, 安藤寿康

ちくま新書
2013-08-11 読了

副題に「すべての能力は遺伝である」とあるが、そこまでは主張していないにしても、さまざまな能力のある割合は遺伝の影響がある、という指摘。言われてみれば、競馬は血統を重視するし、人間でも外見や身長など明らかに遺伝の影響があるのに、能力だけは遺伝の影響がないというほうが不自然だ。

人間だけが「教育」を行なっている、という話は面白いと同時に重要だ。教育の目的を考える上でも重要な本。

2013-03-31

「みんなの意見」は案外正しい, ジェームズ・スロウィッキー (著), 小高尚子 (訳)

The Wisdom of Crowds, James Surowiecki
角川文庫
2013-03-31 読了

集団の知恵ということだが、なぜそうなるのかが理解できない。
再度読む必要がある。

2013-02-17

尻啖え孫市 (上)(下), 司馬遼太郎

角川文庫
2013-02-17 読了 (図書館)

雑賀衆の大将。こういう小説を読むと、堺や和歌山などに行ってみたくなる。

筆者がばんばんに登場。

2013-02-10

椿山課長の七日間, 浅田次郎

朝日新聞社
2013-02-10 読了 (図書館)

あらすじなどまったく知らずに読んだ。何を書いてもネタバレになるので筋に関しては何も書かないが、それにしてもぶっ飛んだ設定だ。しかし読まされる。

泣きあり笑いありの、浅田次郎お得意の物語か。個人的には「鉄道員(ぽっぽや)」よりも好きだ。

全く知らなかったが、この作品も映画化されていた。

2013-02-07

虚像の砦, 真山仁

角川書店
2013-02-07 読了 (図書館)

タイトルの読みは「メディアのとりで」。
実際にあった話を織りまぜてリアリティをだす、この作家お得意の手法(?)。今回はテレビ局。

ミステリ的な読み方もできそうな感じ。最後に黒幕(?)。最後があっという間に収束した感がある。

この作者の小説は他のもそうだが、場面の時と場所が、節の初めに○月○日△時というように書かれている。これはわかりやすい場合もあるのだが、場面や時間が飛んだときなど、それをみて確認しなければならない場合、わかりづらい仕組みだ。テレビドラマ風演出か。

2013-02-02

花咲ける上方武士道, 司馬遼太郎

中公文庫
2013-02-02 読了 (図書館)

「武士道」というタイトルだが、主人公はお公家さん。右近衛少将藤原朝臣高野則近。この人が、京から江戸まで密命をおびてのぼっていく。さながら東海道中膝栗毛?

この作者の長編には、よく作者自身がゆかりの土地や子孫を訪れたりしたときの話が出てくることがあるが、この作品にはそういう部分が無かったので珍しいな、と思っていたら、結構初期の作品だったようだ。

新聞に連載していたようで、だいたい同じくらいの分量の章に分かれていて、それぞれの独立性が高い。いくつかの話は非常に良い所で終わっていて、続きが気になるほどだが、潔く(?)話は終わっている。もしかしたら、筆がのってきたところで規定の分量に達し、そこで話を終わらせた、ということが無かったとは言えないのではないか。

そういえば舞台は幕末。

2013-01-25

レッドゾーン, 真山仁

講談社
2013-01-25 読了 (図書館)

アカマ自動車。

最後のほうがやや端折りぎみか。

日光がほとんど登場しなかったのがやや残念。

団体や登場人物はすべて架空とはいえ、中国の車メーカーのことを良くは書いていないので、いらぬ心配をしてしまう。

2013-01-14

R. P. G., 宮部みゆき

集英社文庫
2013-01-14 読了 (2回目)

2001年に文庫書き下ろしで出版された作品。

何か書くと、話の筋に触れてしまうのでそれは避けたいのだが、この人の作品は、最初に読む時と、再読の時で、だいぶ印象が変わる。それはたぶん、初めて読む時の驚きというか、ある意味での興奮が大きすぎて、再読時には初めの興奮の大きさを期待するので、2回目以降ではやや期待はずれというか、肩透かしというか、そのような感じになるのではないか。

この作家の特徴として、人物の人となりを書き込むところがある。この作品はそうでもないが、割合としてそういう要素が大きいと、話の本筋というか展開の割合が相対的に少なくなるので、結果的に再読時の印象を下げる要因のひとつになっているかもしれない。

2013-01-07

夏草の賦, 司馬遼太郎

文春文庫
2013-01-07 読了 (2回目?)

長宗我部元親の生涯。一兵卒や侍大将とは違う、大将に必要な素質が語られている。

高知は坂本龍馬だけに頼らなくても、こういう魅力的な人物や題材があるのでもっと有効活用すればよいと思うが。むしろ龍馬は高知ではあまりゆかりの場所がない気がする(脱藩の道とかかなり苦しいのでは)。

この作品もそうだが、司馬遼太郎の小説で最後が端折ったように感じられるものがあるが、もしかして、新聞で連載していた際に、あるところで連載を終わらさなければならなくなったために、端折らざるをえなくなったものか。