2012-06-25

魔剣天翔, 森博嗣

講談社文庫
2012-06-25 読了 (3回目?)

このシリーズのキーポイントとなる(?)作品。たぶん。例のアイテムが登場するので。

それにしても、相変わらずコロッと騙される。

何事も疑ってかかる、というのは重要な心がけかも知れないが。

2012-06-23

復興特別所得税創設、大増税時代到来?

今気づいたが、「復興特別所得税」というものが去年新設されていた。平成25年から平成49年まで、通常の所得税額の2.1%が追加で徴税されるようだ。

どうやら、まもなく消費税も増税になりそうだし、すでに所得税控除の対象も次々と減らされているし、まさに大増税時代の到来か。

消費税が導入されるときや、税率が上げられるときなどは、「福祉目的に使途を限る」などが言い訳としてよく聞かれたが、今は「復興」がキーワードのようだ。

もちろん、震災からの復興にお金がかかるのは理解できるが、本当に無駄はないのか。余計な「事業」を行うために予算が費やされていないのか。

財務省の目的は債務の縮小だろうから、歳出も絞るだろうが、国の収入増=税率up もしたいだろうし、一旦上げた税率は「暫定」だろうがなんだろうが、引き下げるのはまず期待できないだろう。今回の「復興特別所得税」も、25年間も続くという。ほとんど「恒久増税」と言っているに等しい。たぶん25年後には、所得税本体もだいぶ上がっているだろうから、本体に吸収されるか、名前を変えて続くか、いずれにせよ、なくなることはないだろう。

香港は英国が99年間という約束で借りていた。それが始まったときはほとんど無限という意味だったようだが、1997年に約束通り中国に返還された。

消費税が上がるなら、他のこのような「暫定」「特別」税がなくなるとか、所得税率を引き下げるとか、バランスをとるならよいのだが、なかなか望みは薄そうだ。

このままいくと、「高税率・低福祉」の国が実現しそうだ(もう実現しているか?)。

もしかして、物価が全然上がらないので、消費税を上げてインフレ状態にしようとしているのか?というブラックジョークも言いたくなる。

これで景気が良くなるわけがないだろうなあ。orz...

2012-06-18

夢・出逢い・魔性, 森博嗣

講談社文庫
2012-06-18 読了 (3回目?)

英題が "You May Die in My Show". 日本語タイトルもだが、それぞれ洒落っぽくなっているのに(それなりに)意味が通るという、センスが光る。

またまた設定がむちゃくちゃ(面白いけど)。TVのクイズ番組で、女子大生3人組の大会に、なぜか紫子、練無、紅子の組で出てしまうという。このような話を作りたいために、キャラをこんなはじけた感じにしたのか。

2012-06-16

月は幽咽のデバイス, 森博嗣

講談社文庫
2012-06-16 読了 (3回目?)

間違えた。この前「黒猫の三角」の感想に書いた昔の印象は、こちら「月は幽咽のデバイス」の舞台である篠塚邸(「那東区」一社付近が舞台らしい)の記憶だったようだ。

Vシリーズの3作目。

ものすごい仕掛けだが、こんなのを想定するためにはやはり、森作品に頻出する、超富裕層でないとありえない。まあ、家にお手伝いとか執事がいたりとか、中流以下ではありえない設定が多いし。でも、普通の中流階級ばかりを舞台にしても、そもそも家が狭くて大勢お客が集まれないし、(トリックになり得る)密室にもなりにくいし、推理小説でお約束の、広間に全員を集めて探偵が「さて皆さん、」とやることもできないので、そこはまあ保守本流か。

人形式モナリザ, 森博嗣

講談社文庫
2012-06-16 読了 (3回目?)

というわけで、Vシリーズを再(再?)読している。
登場人物が多いので、文章を読んでいくだけではその続柄が理解できなかった。しようともしていなかったが。この作品に関しては、始めについている「登場人物」一覧が嬉しい。いつもは、ここはあえて見ずに読み進めるのだが。

相変わらず設定がむちゃくちゃというか、阿漕荘の4人組がなぜか一緒に蓼科に行くことになり、そこで偶然にも(?)事件に遭遇する。さらに偶然にも、林や祖父江も同じ場所に休暇で来ていて、休暇なんだか仕事なんだか、わからなくなるという。

主に香具山紫子と小鳥遊練無の会話が醸しだす、おちゃらけた雰囲気とは裏腹に、キーワードとして「悪魔」「神」というやや重いというか、おどろおどろしいというか、S&Mシリーズにも通じる雰囲気もある。ちょっと苦手だ。

いまタイトルを見て気づいたが、作中で提示される一つの軽めの謎のヒントになっているのかもしれない。

それにしてもよくこれだけ複雑なことを考えられるもんだと思う。世の中は単純ではないが。

まったく関係ないけど、発想・思考の柔軟性を持ちたいものだ。

2012-06-12

黒猫の三角, 森博嗣

講談社文庫
2012-06-12 読了 (3回目?)

1つ前に読んだ「ゾラ・一撃・さようなら」に「天使の演習」というアイテムが出てきたので、確かこのVシリーズにも似たような名前のものが出てきたようなきがしたので、なんとなく、読み返してみた。

少なくともこの作品には出てこなかった。しかし何年ぶりに読んだか忘れたが、話の大筋すら覚えていなくて、新鮮な気分で読むことができた。そして、結末に、またやられた、という感じを味わうこともできた。

以前読んで自分の中に残っていた印象では、物語の舞台である桜鳴六角邸は、なんとなく、なぜか八事あたりの坂をイメージしていたが、今回読んだら、そのイメージはもっと平面的な公園のような場所に変わった。(実際はこれのモデルになった建物は名古屋にはないようだが)

クロネコのデルタ。

本筋とは関係ない、紅子のなぞなぞ(?)とか語りがおもしろい。解説にあるのは正解だろうか。あまり、なるほど、という感じがしないので、たぶん違う気がする。

紅子の設定が、なんとなく、後期(?)とは違う気がする。気のせいかもしれない。

2012-06-10

ゾラ・一撃・さようなら, 森博嗣

集英社文庫
2012-06-10 読了

ハードボイルドと形容されているようだが、確かに、これまでの森博嗣の小説とはまた違う雰囲気。まあ全部雰囲気は違うのだが、私の言葉が不自由なのでなんとも説明に窮する。だれも説明は求めていないだろうが。

そもそも私は、ミステリ(ほぼ森博嗣しか読まないが)で犯人探しをすることは諦めているが、これは早い段階から作中でほのめかされている。そういう意味でもこれまでの小説とは違うかもしれない。

森博嗣の小説の中では短いほうだと思うが、しかし、登場人物がなかなか魅力的だ。これは(無理だろうが)ファンとしては続編を期待したくなる。

2012-06-09

電球販売の自粛よりテレビ放送の自粛のほうが効果が高い

こういう記事には延髄反射で反応してしまう:

夏の節電対策、白熱電球の販売自粛を…政府方針
読売新聞 6月9日(土)14時47分配信

今夏の節電対策のため、政府は家電量販店やメーカーに対し、電力消費の多い白熱電球の販売・生産の自粛を求める方針を固めた。
(以下略)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120609-00000495-yom-soci

これは、業界も白熱電球の生産からはシュリンク気味で、もっと利幅の大きいLED電球や電球型蛍光灯などを売りたいだろうから、むしろ業界が政府にはたらきかけた可能性もあるのではないか。(政府はなにかやっている、というようにアピールできるし、業界も、LEDなどの宣伝になり、ひょっとしたら売上も増えるかもしれない)

しかし、確かに60Wの消費電力の白熱電球を、数WのLED電球に替えるのも良いかも知れないが、それなら、しょうもない番組で公共の電波を独占しているテレビの、夏季昼間の放送停止を要請してはどうか。エアコンと違って、テレビを消しても健康に害がないばかりか、むしろ健康増進にも役立つかもしれない。液晶テレビが普及しているようだが、それでも数100Wの消費電力がある。

明らかに、これは電機業界や放送業界の利害と真っ向から対立するので、間違ってもこのような要請はできないだろうが。

本当に効果がある(意味のある)政策はほとんどとれないし、このようなほとんど意味のないことを実施するための役人・部署がある、というのが無駄に思える。

アルケミスト, パウロ・コエーリョ (作), 山川紘矢, 山川亜希子 (訳)

O Alquimista, Paulo Coelho
角川文庫
2012-06-09 読了

世界的なベストセラー(らしい)。
読む時期によって感じ方が変わるのだろう。若いうちに読んだほうが、感じるところは大きいように思える。
中年リーダーにとっては、Amazon の書評にあるように「だまされたと思って一読..」と人に勧められるほど、くるものはなかった。

訳者のあとがきに、英語版を翻訳して日本語版を作った、とある。もしかしたら、オリジナルのポルトガル語からだと、違った日本語になるかもしれないな、と思う。

「科学的思考」のレッスン, 戸田山和久

NHK出版新書
2012-06-05 読了

科学の知識そのものはどんどん陳腐化していくが、科学の思考方法は変わらない。それをいくつかのステップに分けて勉強することができる。はじめの2~3の章を読むだけでも、この本を買う価値がある。

2分法的思考はヤバイ

しかも第2部では、3.11後の放射線問題を例に、「なにか難しいことは専門家に任せておけば良い」というような考え方は非常に危険で、市民がそのリスクに向きあい、他のリスクと比較した上で、ひとりひとりがどう行動するかを選択する必要がある、と説く。

大変情報量が多い。