宮帯出版社
2011-09-29 読了
著者のグループで取り組んでいる、地質学的手法による古地震の研究の紹介。とにかく、何度もくり返し吐露されているのは、869年の貞観の津波についての研究成果を取り入れた地震の評価結果が政府の地震調査研究推進本部からまさに公表される直前だったこと、そして、もし、それが公表されていたら、今回の地震・津波の被害者が少しでも減っていたのではないかという悔悟の念である。
著者によると、千島海溝・房総沖・南海トラフに(超)巨大地震が切迫している可能性があるという。その予想はともかく、過去の地震の痕跡を探る手法がバラエティに富んでいて、災害の被害に遭われた方々には不謹慎ではあるが、非常に楽しい。
最近のホットな結果まで惜しげもなく紹介されていて、この分野の研究の面白さがよく現れている。
写真や図も豊富で、非常に読みやすくて一気に読めたが、ただ図に番号がついていなかったのが残念。
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