伏見威蕃
日本経済新聞出版社 上 下
「上」「下」合わせて1,200ページを超える分量。それでいて原注は本にはついておらず、出版社のwebpageからPDFをダウンロードするという形式。図書館で借りて読んだが、1度(1回につき2週間借りられる)では「上」の途中までしか読めなかった。一度返して再度「上」「下」を借り、さらに2週間後に「下」だけを再度借りてようやく読み終えた。著者は準備・執筆に5年をかけたという。
Warren Buffett は偉大な投資家と言われているが、結構直接経営にも乗り出している (自身の会社 Berkshire Hathaway を除いて)。
安く買わなければ儲けられない。当たり前だが、それを実践するためには本質的な価値を見極める必要がある。株式は価格が変動してリスキーだが、本来の価値を見積もることで、可能性のある下振れの幅を極限まで小さくすることができる。とはいえ凡人には真似ができない。「オマハの賢人」と言われる所以か。
著者は、「サブプライムローン問題」と呼ばれている金融危機の本質を極めて分かりやすく解説している。問題は、ローンを貸している銀行などが、そのリスクを他人に転嫁するためにCDOという細切れの債権をまとめたものを作り、さらにその買い手がそのリスクをヘッジするためにCDSを買う、という循環で、みんながリスクを下げられたと思い込んで、どんどんローンを貸し出して規模が膨らんだ、というところのようだ。
3つの信条:
ひとつ、味方は不可欠である。ふたつ、約束は神聖なものだから、あたりまえのことだが、めったなことで制約などしてはならない。三つ、人目を惹く派手な行為でなにかを成就できることはまれである。
ピラミッドの経済効果についての考察:ほとんどそのまま国の財政にも言えそうだ。
ファラオが自分のためのピラミッドを造るのに1000人を雇い、こうつぶやく。「給料が経済に流れ込むし、金は一銭も無駄にはならない、と。多くの寄贈や消費が同じような形で行われています。馬鹿げているし、倫理的にも間違っているはずです。でもピラミッド建設用に石を運ぶ人々に雇用をあたえるのはすばらしいことだと考える人々もいます。その連中は間違いを犯しています。それは生産的ではない。そういう人々は、投入するものだけを考え、生み出されるものについて考えていません。
仮に自分のためにピラミッドを造りたいと望むなら、そして、そのために社会から多くの資源を奪うなら、そのために莫大な代償を払うべきです。それ相応の税金を払うべきなのです。大きな部分を社会に分けあたえ、病院の建設や、子供たちの教育にまわせるようにしなければなりません」
バフェットのほんとうのすごさはお買い得品を見つけることではなく(たしかに多数見つけてはいるが)、適正な値段のついている会社を長い歳月をかけてお買い得品に仕立てあげることにある。
- 小さい頃卓球に熱中
- ソロモン・ブラザーズ, LTCMといった「ウォール街」企業とも関係していた
自分の好きなことをしなさい。自分が尊敬できる人のもとで働きなさい。
自動車をくれる精霊(ジン)の話:
これはきみが一生で最後に手に入れる自動車なんだ。だから、人生の最後まで乗り続けることになる
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