2011-02-03

グーグル Google 既存のビジネスを破壊する, 佐々木俊尚

文春文庫
2011-02-03 読了
図書館

2006年に出版された本なので、Facebook の F の字も出てこないが、Google の強力な収益源である「キーワード広告」の革命性や「Google八分」、ネットの司祭ともいうべき権力的な存在になってきていることを指摘している。その構造は今も変わっていないだろう。

著者は、ユーザがGoogleなどの検索エンジンを使うようになれば、そのwebページの重要度が人間ではなくアルゴリズムで測定されるため、マスメディアなど従来からの情報の権威と、個人bloggerとの格差が縮まりフラット化する、と述べている。今はそうなっているだろうか。「ロングテール」など、多様化の恩恵が大きいと感じるが、それは個人個人の求める情報が異なり、ある人にとっては、総理大臣の発言よりも、(新聞などには載っていない)おいしいレストランの情報や、PCのパーツ情報の方が重要ということの反映だろう。そういう従来メディアではレア(マイナーですらない)な情報も、検索エンジンのおかげで、ある程度到達するのが容易になったということだろう。(このblogのように殆どreachされないページも星の数ほどあるだろうが...)

最後に述べられている、Googleが「環境管理型権力」というものになっている、という話は怖いことだ。

関係ないが、Facebook などの SNS は、自分で情報の公開範囲を制限できるので、うっかりすると Internet 上に個人情報を置いているという意識が希薄になることがある。確かに、一般には公開されていなくても、他人のサーバの上に自分の情報を置いている、ということを常に意識する必要がある。

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