2011-02-16

貧乏はお金持ち, 橘玲

講談社
2011-02-16 読了
図書館

そもそもの設定(サラリーマンが法人化する)が唐突だ(もし本当に会社勤めの人が法人化したとして、もとの勤め先の会社が、新規法人と業務請負契約を結んでくれるか?)が、様々なテクニック、知識を教えてくれるという意味では、非常にとっつきやすい。

サラリーマンにはあまりなじみのない法人について個人との税法上の違い、会社の種類、会社の作り方、会計・簿記の基礎などなど、いつもながらに充実した情報が得られる。この知識が役立つかどうかは分からないが、ものの見方が広がる。縄文時代の歴史や漢文などを教える時間があるなら、資本主義の根幹を成す会社やファイナンスについて教えることが何倍も重要だと思う。

「減価償却」の考え方が分かりやすかった。
減価償却は、年数とともに価値が減価する資産を購入した際の会計上の扱い
現預金が500万あって、それを使って300万の車を買った場合、BSの資産の部は現預金200万と固定資産(車)300万になるだけ。キャッシュフロー上は300万の支出だが、資産としては変わらない。しかし普通自動車の法定耐用年数は6年だから、300万の営業車の会計上の価値は毎年50万ずつ減価していく。これは会計上の経費とみなされるが、すでに代金は払い済みだから、翌年以降のキャッシュフローにはまったく影響なし。初年度の300万の支出を6年かけて費用化する。

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