集英社新書
新たなものが生まれる過程を知ることができる知的興奮と、カオス、フラクタル、スケールフリーネットワークなどの概念も解説される。
その前半部の話題をもとに、後半(第四章、終章)では、日本の昨今の「大学改革」がいかに危険な道を進んでいるか、危機感を持って語られる。
生態系を壊すような過度な競争を持ち込んではいけない
大学の存在意義は、結果的に出てきたその「成果」ではなく、そういう成果を生み出す「場」にある
生物界はアホのルールで回っています。人間も生物の一種である以上、もっとアホが堂々としていなければなりません。
大嫌いなやつ。絶対合わない、目も合わせたくない。そういう奴も含めての多様性だ。カエルにとってのヘビや、人間にとってのゴキブリこそが多様性だ。
正確でないかもしれないが、生物は40億年もカオスな世界を生き延びてきたが、環境の激変に対応するように進化したというよりは、そういう新しい環境に適応できるような種も突然変異などでできていて、それがたまたま環境の変化に適応する性質だったから生き延びた。そういう多様性を持っておくことが重要。
ナマコを最初に食べた人はすごい、とかねがね思っていたが、そういうチャレンジャー(この本では「アホ」)がいて、食の多様性がひろがった。「選択と集中」をして、例えば米だけ生産することに特化して、もし自然災害などで米がとれなかったら、全滅してしまう。
最後に、学生にむけたメッセージの中で、トーマス・エジソンの名言が引用されている。素晴らしい読後感を与えてくれる。
0 件のコメント:
コメントを投稿