三笠書房
京大の「変人」が多数登場するのかと勝手に思い込んでいたが、講座のWEBにも書かれている通り、
この変人講座は、世の中に変人がいなければならない理由を語ることを第一の目的にしています。京大のとんでもない変人を紹介することを第一目的にしているわけではありません。というわけで、特に変人講師を集めているわけではありません。というわけで、ちょっと変わったことを考えている人、ちょっと変わったものを対象に研究している人、たちのおもしろい話。
自分が全く聞いたこともないような話、という意味では、山内裕「なぜ鮨屋のおやじは怒っているのか」、川上浩司「なぜ、遠足のおやつは"300円以内"なのか」が面白かった。前者は「サービス」とは何か、後者は「便利を追求するだけでよいのか」、ということを考えさせてくれる。その意味では、那須耕介「人間は"おおざっぱ"がちょうどいい」の話の中でも「安心・安全」を他人に任せておいてよいのか、という問いが出てくる。
それ以外でも、驚愕の地球史、生物の系統樹がどんどんひっくり返ってきている話、そしてもちろん酒井敏「『ぼちぼち』という最強の生存戦略」は別の本で詳しく述べられているカオス・フラクタル・スケールフリーネットワークの話、のどれも、非常に知的好奇心を刺激してくれる。