2012-04-26

自動車事故と地震・津波・原発問題の違い?

最近、大変悲しい自動車事故が度々発生しています。これらに対する、目・耳につく報道は、運転していた人の個人に(むりやり)原因を求めることがほとんどのように思われます。

ところで、平成23年版警察白書によると、全国の平成22年の交通事故による死者数は4,863人、負傷者数は896,208人だそうです。幸いにも、これらの人数は減少傾向にあるようですが、しかしながら5000人近い方々が毎年亡くなられているという事実は、たとえば東日本大震災で亡くなられた方・行方不明の方の数を考えてみると、非常に重いものがあります。

原発の存廃に関しての議論も、さまざまな意見があり、大変重要なことだと思います。

これら自然災害や原発(事故)に対する方策は、個人個人で出来ることには限りがあり、当然ながら組織・団体(国、会社、地方自治体 etc.)での方策が議論の中心になっています。

しかし交通事故の場合、たしかに事例によって様々なケースがあるでしょうし、自動車事故の場合は当然ながら運転手の責任が第一だというのもそのとおりですが、組織的な対策の不備が問われることはまれな気がします。

すなわち、自動車事故を減らすためには
  1. 自動車をなくす
  2. 歩行者の通る道は自動車が通らないように規制する
  3. 歩行者のそばを通るときは一定以上のスピードが出ないような装置を組み込む
  4. そもそも自動車と歩行者の道を分ける
などという根本的な対策についても検討されて良いのではないかと思います。(もしかしたら、警察庁? 国土交通省? などでは議論されているのかも知れませんが)

津波対策・地震対策は人命だけでなく、財産、生活を守る上で必要です。また、原発事故で撒き散らされた放射性物質の除染もある程度は必要です。しかしながら、こと、交通事故や自動車ということになると、そのような視点が表立つことが無いのは、自動車が身近なせいだけでしょうか。

虚空の逆マトリクス, 森博嗣

2012-04-26 読了 (2回目?)
講談社文庫

なんとなく、気楽に読めるものを手に取ると、森博嗣になってしまう今日このごろ。
短編集を順番に読んできて、本作は4作目の短編集(のはず)。かなり粒ぞろいだと思う。

涙なくしては読めない(嘘)のが「話好きのタクシードライバ」。いちおうミステリ仕掛け(?)にはなっているが、作者自身が日常タクシーを使っていて相当不満を持っているらしいことがよく分かる。

「トロイの木馬」「探偵の孤影」は、読後にモヤモヤが残る(私だけか)。

「ゲームの国(リリおばさんの事件簿1)」は力作(というのか?)。よくこれだけのレパートリーを思いつくものだ。

今作では、S&Mシリーズの登場人物がでるのは1作のみ。やっぱり萌絵の家に集まる。

次は何を読もうか。

2012-04-16

工学部・水柿助教授の解脱, 森博嗣

2012-04-15 読了
幻冬舎文庫

本作はこのシリーズにしては比較的素直にストーリィが展開する。独特の考え方や生活などが垣間見れて面白い。

前作よりさらに、大学の話が出てこない。そのように比重が移っていったのだろう。

ホームページには、今後の小説出版予定が書かれている。Gシリーズは12作まで、Xシリーズは6作までらしい。この本の水柿君が言うように、出版社への義理で執筆を続けているのみだとすれば、いち読者としては寂しいが、生活のために稼がなくても良いのだろうから、仕方がない。

人の一生は有限の時間しかない。その時間をどう使うかはその人の自由だろう。

愛知万博とか、懐かしい。

2012-04-13

工学部・水柿助教授の逡巡, 森博嗣

2012-04-13 読了
幻冬舎文庫

水柿君シリーズ(Mシリーズというらしい:森博嗣の自伝的小説?)の第2弾。前回よりもぶっ飛ばしている感じ。文中では「これは小説だ」と主張しているが、エッセイに近いかもしれない。まあそんなカテゴライズはどうでも良い。いよいよ小説家になる経緯(いきさつ)の話。

前作では、大学での話も結構あったが、今作は小説家としての部分の話がメインなため、大学生活の描写は極端に少ない。

それにしても、作者が意図したことだろうが、話が縦横無尽に行ったり来たり明後日にいったりして読みにくい部分が多い。まあ無理して読むなということか、ストーリィを追うだけが読み方ではない、ということか、タイトル通り逡巡しているのか。それでも続きが気になり、次作もすでに買っているのだが。

2012-04-10

変動する日本列島, 藤田和夫

2012-04-10 読了 (図書館)
岩波新書

買いたいと思っていたが、出版社で品切れ(重版未定)のようなので、図書館で借りて読んだ。

近畿地方を中心とする現在の地形のでき方を、地質学・地形学から明らかにするドキュメンタリー(?)。すべて理解できたわけではないが、数十〜百万年という長い(地質学的には短い)年月の間でダイナミックに変化する地形を読み解く、非常に面白い著書。活断層や地震の話も出てくる。この本が出版されたのは1985年で、もちろん野島断層などピンポイントの話があるわけではないが、しかし近畿地方にも活断層があることや、地震の危険性についても書かれている。

途中からかなり複雑な話になるのであまり理解できていないし、書かれているような変動が、どのような仕組みで起こるのか、というところもよく分からないが、大変興味深い。

それにしても、重版してほしい。なんのための再販制度か分からない。そもそも電子書籍にしておけば、「版」などほぼ意味がなくなるし、在庫を持っていなくても販売できる。出版社にとっても良い話もあると思うが。といういつもの愚痴はこのへんで。

旧版の岩波新書全てが在庫切れなわけではないことに、とりあえず安堵するが。

(参考)
本書にも少し話が出てくるが、著者が参加したカラコルム・ヒンズークシの調査の様子がwebで見られるようになっていた。netで検索したら出てきた。素晴らしい。

2012-04-05

今夜はパラシュート博物館へ, 森博嗣

2012-04-04 読了 (2回目?)
講談社文庫

また森博嗣の短編集を読みなおした。これはVシリーズが5作目まで出たあとに出た短編集。S&Mシリーズのキャラクタが登場する話が2編、Vシリーズが1編。

どんどん弾けていて良い感じ。