図書館
2009-01-25 読了
「ワーキングプア 日本を蝕む病」の続編。韓国, 米国, 英国, 日本でのワーキングプアの事例と、解決に向けた取り組みのいくつかを紹介。前編では事例の紹介しかなかったので非常に重い読後感だったが、こちらはむしろ安心感が得られるかもしれない。しかし、当然ながら、ここで紹介されている、好転しつつある事例は、問題全体からすれば、ごく、ごく一部に過ぎないので、これでハッピーエンドとはならない。多くの人の努力とそれを支えるためのお金が必要。
徒然と思うことは、安売りを目玉にした小売業 (スーパー, ディスカウントショップ, 電器店, アウトレット, etc.) がこれだけはやっているということは、当然、そこで売られているものを作っている人や流通にかかわる人、売っている人の人件費も安いだろうし、かつ、安い製品を求める消費者が大勢いるということ。選挙だけでなく、こういう各個人の日々の消費行動の選択も、問題に関係している。
「おわりに」に、テレビ番組ではカットされた人の話が出てくるが、
「田老製作所」の社長のように、放送に至らなかった人も数多くいる。私たちが長年見過ごしてきた現実を、身をもって気づかせてくれた方々に、本著の最後に、心から感謝の気持ちを伝えたいと思う。という文だけで、取材に協力してくれた人たちへの謝辞のつもりなのだろうか。時間の限られたテレビではなく本なのだから、少なくとも協力者の名前を挙げて謝辞を記載するのは当然なのではないだろうか (もちろん本人の意志は尊重されるべきだが)。
以下、メモ:
- 賃金労働者に占める非正規雇用の割合 (2006年) は日本が 33% に対し、韓国では 55%
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