2019-6-15 読了(図書館)
あまりにも真っすぐ、ストイックだ、というのが読後の感想。
あとがきにも書かれているが、「相撲」「師匠(父)」「自分」のことで埋め尽くされている。
当時、いろいろとメディアを賑わわせた、兄弟の不仲や洗脳騒ぎ、などなど、とくに詳しく貴乃花の側から説明されているわけでは無いが、口数が少ない師匠の「分け身」として、自身もまわりの理解を得るための十分な説明ができない・しないので、いろいろと溝が深まっていったのではないか。それは、子供のころから人気力士の息子としてメディアからも注目されていたが、「取材やテレビ出演は大嫌いだった」(母や兄は嬉々としていたが)と書かれているし、マスコミに見当違いのことを書かれても、そこで反論しても「真実をわかってはもらえないのだ」とも書かれているように、自分は自分、他人は他人、と思うようになっていったのではないかと勝手な想像をする。
その後、相撲協会を退職し、奥さんとも離婚し、「一般社団法人貴乃花道場」設立、とますます我が道を行っているが、本人は「自分の信じる道を行く」「周りには分かってもらえない」という思いなのだろうか。この本の最後の方でも触れられているが、相撲の将来を憂い、子供たちに相撲を広めることに相当関心があるように見受けられる。
叔父、父、私とつないできた相撲界と花田家の因縁は私の代で捨てよう。その代わり、この身は惜しむことなく骨の髄まで相撲道に捧げよう。
- 大関昇進伝達式の「不撓不屈」(ふとうふくつ)という言葉を考えたのは師匠
- 横綱の伝達式のときの「不惜身命」(ふしゃくしんみょう)という言葉は、女優の藤真利子さんが緒形拳さんに相談して提案された言葉
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