2019-03-03

相撲のひみつ, 新田一郎 (著), 曽根愛 (イラスト)

2019-03-03 読了 (図書館)
朝日出版社

東大法学部教授(相撲部部長)による相撲本。これまで自分が読んだ相撲本はいわゆる「大相撲」関係者が書いた本だったが、これはタイトルも「大相撲」ではなく「相撲」一般ということで、立ち位置が異なり興味深い。そのため、アマチュア相撲のことにも触れられている。また、相撲の戦術というか、3つの間合いとそれに応じた戦術(押し、突き、寄り)についての解説も面白い。

興味深かったのは、昭和2年1月場所の土俵と仕切りの写真。二重の土俵、四隅に柱がありその前に審判が座っているなど、だいぶ現在と異なる。なかでも、立ち合いは、仕切り線がなく、力士は頭をつけあった状態から立ち会っていたという(仕切り線ができたのは昭和3年かららしい)。そのため、現在のように立ち会った直後に激しく当たるということがなかったようで、おそらく今ほど「突き押し」力士というのはいなかったのではないか。

観客から見やすくするために、高い「土俵」にし、土俵から出たら負け、という独特のルールが加わったようだが、そのような相撲の進化というか現在に至る過程がおもしろい。

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