2015-12-30

第三の時効, 横山秀夫

集英社文庫
2015-12-30 読了

F県警捜査第一課の短編集。
硬派。
それにしてもここまで内部での競争心が大きくて、協力が無いものなのだろうか。

2015-12-27

深追い, 横山秀夫

新潮文庫
2015-12-27 読了

短編集。それぞれ、ある同じ警察署が舞台だが、関連性は(多分)ない。

2015-11-15

ルパンの消息, 横山秀夫

光文社文庫
2015-11-15 読了

横山秀夫のデビュー作らしい。また、ノベルズ版、文庫版の際に、それぞれ改稿されているそうだ。
ストーリーが多層に組み合わさっており、久しぶりに読書のために睡眠時間を削られた。

2015-09-27

復刻 桜島噴火記, 柳川喜郎

南方新社
2015-09-27 読了

桜島の大正噴火の際の、地震観測業務を担っていた測候所と、島民避難の様子などを克明に描いている。

当時は測候所内の地震計1台だけで、震源決定を行なっていたそうで、それで火山噴火の予測は困難だろうが、一方で、いくら観測が充実していても、結局のところ噴火するのかどうか、それによって避難が必要なほどの被害が生じるのかどうか、を事前に予期するのは現在でも難しいところだと思う。また火山に限らず、地震・水害など自然災害はそのような不確かな見通しのもとで、避難するかどうかなどの対応を決めないといけないが、そのギャップは今もあるだろう。非常に示唆に富む。

2015-09-22

震度0, 横山秀夫

朝日文庫
2015-09-22 読了

警察ものなので、事件の謎を捜査や推理などで解決していく、という筋かと思っていたが、若干違ったようだ。
たしかに「事件の謎」を追及しているには違いないが、警察(ある県警)内部の幹部を中心として、警察庁キャリアとノンキャリ・県警たたき上げ、組織内部の各セクションや個人それぞれの事情や思惑が優先されて、腹の探りあいを続けるさまは、ときに滑稽な感じすらする。

実際の警察内部はこんなひどいことにはなっていないと思いたいものだ。

2015-09-18

顔 FACE, 横山秀夫

2015-09-18 読了
徳間文庫

同じ婦人警官が主人公の短編集。なかなか新鮮で面白い。

2015-08-26

臨場, 横山秀夫

光文社文庫
2015-08-26 読了

独特の存在感がある、検死などを行う警察の検視官、倉石が主人公というか共通に登場する短編集。他殺と、自殺や自然死などを判断するのは重要な仕事だが、確かに、判断が難しい場合もありそうだ。

2015-08-19

真相, 横山秀夫

2015-08-19 読了
双葉文庫

警察官が主人公ではない短篇集。それぞれ、終盤になってコトの意外な真相が明らかにされるが、どの話も題材が殺人のため、やや重苦しい読後感。

2015-08-10

半落ち, 横山秀夫

2015-08-10 読了 (2回目)
講談社文庫

警察官、検察官、裁判官、新聞記者、など個人とその組織との関係、家族、などなどが相互に関係する。

この作品が直木賞にノミネートされていたが、結局は受賞を逃したようだ。その過程で横山秀夫は「直木賞との決別を宣言した」そうだ。

2015-07-11

納棺夫日記, 青木新門

文春文庫
2015-07-11読了

納棺の仕事を垣間見ることができるだけでも面白いが、後半に、著者が親鸞や宮沢賢治などを引用しながら展開する、「死」の考察というか親鸞の解釈も興味深い。


2015-06-14

動機, 横山秀夫

文春文庫
2015-06-14 読了 (2回目?)

読み始めたらやめられない。寝る前に読み始めたら、深夜(未明)までかかって、最後まで読み続けてしまった。
すごい発想だ。特に「逆転の夏」。

2015-05-26

なぜ疑似科学を信じるのか, 菊池聡

化学同人 DOJIN選書
2015-05-26 読了

「疑似科学」「ニセ科学」などと呼ばれるもの・こと・ひとに対して、科学哲学の文脈(科学とは何か)から取り扱ったものは見たことがあったが、心理学的な面からそれを行う「ひと」を分析したもの。その観点からすると、疑似科学は非常に「人間的な」営みだということが明快に示されている。

2015-05-06

もうダマされないための「科学」講義, 菊池誠, 松永和紀, 伊勢田哲治, 平川秀幸, 飯田泰之+SYNODOS (編)

光文社新書
2015-05-06 読了

講演をもとにした(文章に起こした?)と思われる3つ+書き下ろし1つがメイン。本のタイトルは「『科学』講義」となっているが、かなり広い意味での「科学」が話題。3章はマスメディアの問題、4章は科学コミュニケーション。それぞれに興味深いが、特に講演をもとにした部分は、短いこともあり、やや食い足りない印象がある。

付録は読み物として面白いだけでなく、信頼できる情報源へのリンクなどが豊富に示されており、参考になる。

2015-03-31

相田家のグッドバイ, 森博嗣

幻冬舎文庫
2015-03-31 読了

父親、母親、兄、妹という一家の物語。主人公は兄。例によって(?)大学の建築学科の教員。
この作者のほかの作品にくらべて、登場人物の背景・人物像に関する記述が多い気がした。

2015-03-01

実験的経験, 森博嗣

講談社文庫
2015-02-28読了

本家によると「超短編集」だそうだ。だいぶ傾向は違うが、土屋賢二にも通じるところがあるかも(?)。会話文と地の文の区別をする記号「」の使い方を少し変えるだけで非常に読みにくくなることを実証して見せることにはじまり、さまざまな常識をうのみにせず一旦疑ってみる、という姿勢が端々にうかがえる。それは著者が「人間はいろいろな問題についてどう考えていけばよいのか」で書いていたことにも通じる。

それにしてもアイデアの宝庫。作家でもない自分が活かせるものではないが、惜しげもなくいろいろなアイデアが披露されている。そのせいか、森博嗣の本を読んだ後は、関係あることないことをいろいろと考えられて、程よい刺激が得られるのか、ここにいろいろとおもったことを書きたくなる。

2015-02-03

豊臣家の人々, 司馬遼太郎

2015-02-03 読了 (2回目?)
中公文庫

「 新史太閤記」や「関ヶ原」「城塞」で豊臣秀吉とその周囲の人物を題材にとっているが、この作品は、それらでもほとんど触れられない人たちをメインにした連作短編集。さすがに淀殿は上記でも出てきていたが。解説にもある通り、大和大納言(秀長)と結城秀康が光る。

2015-01-18

軍師二人, 司馬遼太郎

新潮文庫
2015-01-17 読了 (2回目?)

戦国期を題材にした短編集。
雑賀党、織田家武士の浪費妻、徳川傘下の佐野綱正、関ヶ原の戦場の「歩き巫女」、姫路の医家の妻が旅先で一夜官女となる話、侍大将渡辺勘兵衛と藤堂家、古田織部正と鎌田刑部左衛門、後藤又兵衛と真田幸村。

2015-01-10

ファスト&スロー (上)(下), ダニエル・カーネマン (著), 村井章子 (訳)

Thinking Fast and Slow, Daniel Kahneman
ハヤカワ・ノンフィクション文庫
2015-01-10 読了

「ノーベル経済学賞」という冠はあまり関係なく、心理学だろう。
ダン・アリエリーの本ほど軽快ではないが(そもそも他の分野の本でもあれほど軽快な本はなかなか無いが)、豊富な研究成果に基づく、人間の「意思決定」のメカニズムについて知ることが出来る。自分自身の経験に照らしても、頷くところは多い。
もちろん、「プロスペクト理論」の部分はさすがに読み応えがある。

2015-01-05

梟の城, 司馬遼太郎

2015-01-05 読了 (2回目?)
新潮文庫

司馬氏の比較的若い時の作品だそうで、作中に作者がでてきたりといった、面白いが「余談」の部分はなく、まとまりをもった緊張感がつづく。

しかし、「気配を消す」とか、訓練によってできるようになるものだろうか。