2010-09-26

ηなのに夢のよう, 森博嗣

講談社文庫
2010-9-26 読了

これは1冊で完結しているような、していないような。帯にあるように「Gシリーズのターニングポイント」か?

2010-09-23

クルマは家電量販店で買え!, 吉本佳生

ダイヤモンド社
2010-9-23 読了

前著に続いて、身近な物の価格などに関する経済学を分かりやすく説明する。しかしこれは、タイトルと内容がかなり乖離していると思う。

  • 外国人労働者
  • ジェネリック薬
  • 大学の授業料
  • 温暖化ガス排出権
などが題材にされているが、経済学の目を通した日本の社会制度等への考察と提言が含まれている。近視眼的に政府が規制をつくっても (taspo, 労働者の移動, 携帯電話契約件数/人) それを悪用したり、犯罪に結びついたり、様々な裁定によって、規制を設けた当初の目的が達成できないだけでなく、よりひどい副作用があらわれることもある。

オークションや囚人のジレンマの説明が秀逸だった。その考え方の応用で様々な問題の説明ができるということが説明されている。特に、1000円札のオークションが面白い。これは最終的に競り落とさなかった参加者も、提示した金額は支払わなくてはならないというルールで1000円札をいくらで買うか、という競り。このルールのおかげで、一度参加したら、途中で降りれば、より損をしてしまうので、価格が1000円を超えても降りられない、というのはありそうなことだ。いつでも合理的な選択をするとは限らない、というのは肝に銘じておくべき重要なことだ。

それにしてもこのような経済的なセンスというのは様々な場面で重要になるということを思い知らされる。特に製作を立案するようなポジションの人にはぜひ身につけて欲しいものだ。しかし、名言 (この本とは関係ない)

仕事を作るのが仕事

に官僚の本質があらわされるように、本当の効率化・経済性などは追求されることはないのだろう。

2010-09-08

ハプスブルク家, 江村洋

講談社現代新書
2010-9-8 読了

またまたハプスブルグもの。これは図表などは必要最小限で、歴史教科書のスタイル (古い方から新しい方へ, 天下り的な文体) 。少々の前知識 (先日読んだ本が全てだが...) と、地域への関心から、特に問題なく読み進めることができた。

700年以上にわたる歴史を新書の分量にまとめる必要上、このようなスタイルになるのはやむを得ないのかもしれないが、もしかしたら1年前だったら、全部読めなかったかもしれない。

ということは、歴史の解説書を読むためには、ある程度の前提知識が必要になる、ということか。鶏が先か卵が先か...