2021-10-03

ダブルマリッジ, 橘玲

文藝春秋
2021-10-03 読了(図書館)

この作家の小説は、「金融小説」とでもいうのかわからないが、オフショアやプライベートバンク、というキーワードで代表されるような、裏技的な節税手法や資産の海外移動などが題材になっていたが、この本は戸籍(国籍)がテーマ。

帯叩きには「知らぬ間に、妻とは別の女が戸籍に入っていた!」とあり、それがある意味、合法的になされるということで、「裏技的」ではあるが、それはまあスパイスというか前振りというか。それだけで引っ張るわけでなく、その種明かしは割と早い段階でなされる。

出版社のサイトには「ジャンル:エンタメ・ミステリ」とあったが、ミステリなのかな。ストーリーの先が気になる、という意味では立派なミステリかもしれない。読み始めたら一気に読み終えてしまった。

フィリピンが(も)舞台。

「相続時精算課税(の特例)」とか、ぽろっと税に関する豆知識が出てくる。小説を読んだだけだと、親が自分の子に2500万円まで非課税で贈与できるというように書かれていた気がするが、あとでネットで調べてみると、どうやら贈与の時点では非課税だが、その親が亡くなったとき相続税の計算対象には含まれるらしい。私の理解だと、不正確かもしれないが、生前にまとまった金額の相続をしておく、という意味合いのようだ。相続税が逃れられるわけではない。

0 件のコメント: