文藝春秋
以前も読んだはずだが、とくに最後の方はほとんど覚えていなかった。
それはともかく、本のタイトルは「経済入門」となっているが、扱われている話題は「多重債務」「利権争い」「いじめ」「マルチ商法」「自分探し」で、経済? と思わないでもないが、さらにそれらで扱われている科学的な内容としては「行動経済学」「ゲーム理論」「ネットワーク理論(ワッツ、ストロガッツ)」「社会心理学」「ゲーデルの不完全性定理」と、経済の範疇を超えているように思える。
もちろん、この本を読んだだけでそれらの先端科学を理解できるわけではないが、どのような内容なのか雰囲気に触れることはできる(かもしれない)。
もっとも、そのような科学に興味が無くても、連続短編小説としてよくできていて、非常に面白い。