2015-09-27

復刻 桜島噴火記, 柳川喜郎

南方新社
2015-09-27 読了

桜島の大正噴火の際の、地震観測業務を担っていた測候所と、島民避難の様子などを克明に描いている。

当時は測候所内の地震計1台だけで、震源決定を行なっていたそうで、それで火山噴火の予測は困難だろうが、一方で、いくら観測が充実していても、結局のところ噴火するのかどうか、それによって避難が必要なほどの被害が生じるのかどうか、を事前に予期するのは現在でも難しいところだと思う。また火山に限らず、地震・水害など自然災害はそのような不確かな見通しのもとで、避難するかどうかなどの対応を決めないといけないが、そのギャップは今もあるだろう。非常に示唆に富む。

2015-09-22

震度0, 横山秀夫

朝日文庫
2015-09-22 読了

警察ものなので、事件の謎を捜査や推理などで解決していく、という筋かと思っていたが、若干違ったようだ。
たしかに「事件の謎」を追及しているには違いないが、警察(ある県警)内部の幹部を中心として、警察庁キャリアとノンキャリ・県警たたき上げ、組織内部の各セクションや個人それぞれの事情や思惑が優先されて、腹の探りあいを続けるさまは、ときに滑稽な感じすらする。

実際の警察内部はこんなひどいことにはなっていないと思いたいものだ。

2015-09-18

顔 FACE, 横山秀夫

2015-09-18 読了
徳間文庫

同じ婦人警官が主人公の短編集。なかなか新鮮で面白い。