2007-11-11

世界にひとつしかない「黄金の人生設計」, 橘玲, 海外投資を楽しむ会

2012-01-21 読了 (N回目)
講談社プラスアルファ文庫

何度読んだか分からないが、日本で人生を過ごす人にとって制約条件というか境界条件となっている、年金や社会保険の制度、多くの人にとって人生で一番と二番目に大きな支出となる不動産、生命保険、それらとともに多額の支出となる「子供」について、家計の経済的な側面についてわかりやすい説明がある。

はっきり言って何千万もする家や、毎月数万円も支払う生命保険を買う前に、800円のこの本を読んでみるべきだと思う。

オリジナルは1999年に出版されて、文庫化されたのは2003年だから、一部の情報は古くなっているかもしれないが、日本人として残念なことに、年金や社会保険制度の根幹部分は現在もそのまま当てはまる。

現在40歳以下のサラリーマンにとっては、60歳から65歳までの「空白の5年間」をどのようにすごすのかが、人生における最重要課題となってきています。(中略) 60歳から5年間、無収入になるという大きなリスクを前提に、人生を設計する必要がでてくるからです。

将来の年金があてにできないのに30年などの超長期で借金して家を買う人がいるようだが、60歳までに完済するのならまだしも、70歳になってもまだローンが残っている、とかどういうことだろうか。そういう人は多くが、株式投資などの「ギャンブル」はやらない真面目な人だろう。でも不動産を買うという行為が本質的には投資と何ら変わらない以上、借金をして家を買うことは、レバレッジをかけて株や外貨などに投資することと同じである、という主張は、冷酷だが真実だと思う。FXなどにはレバレッジ率を規制する政府も、不動産を買うことに関しては規制するどころか、税金を優遇したりしてむしろ奨励している。それでいて子供をつくるから給食費すら滞納する家庭が増えているのではないか。

それだけ住宅業界や電機業界などに気を使っているのだろうが、どれだけ自己破産しようが構わないということか。

学校で金融や経済について教えるなら、まずこのようなことを教えるべきではないか。

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