角川文庫 2023-01-22 読了(図書館)
ダン・ブラウンが2001年に発表した小説。アメリカ・ホワイトハウスや NASA, NRO (国家偵察局) など、またまた実在の組織が舞台・題材になっている。
ストーリーは、ネタバレになるので詳しくは書かないが、かなり強引な設定で進む印象。そして、ほとんどお約束の黒幕。それでも話に引き込まれ、続きが気になり、なかなかやめられない。この作者のほかの作品と同様、スリルというか、危機的な状況が何度も訪れ、私のような心臓の弱い(?)読者には刺激が強い。
キーワードとしては、隕石、地球観測衛星、化石、沈み込み、マグマ、などなど、個人的になじみのある分野が扱われている。隕石や化石に詳しいわけではないが、設定としてはまあ悪くないかな、という感じ。一方、軍事技術、航空機、推進機構などは、現在(といってもこの小説が書かれたのは20年以上前だが)存在しているとは思いにくいものが結構出てくる。本の最初に「この小説で描かれる科学技術はすべて事実に基づいている」とあるが、まあそれをどこまで真に受けてよいのかはわからない。