2017-06-29

経済数学の直観的方法 マクロ経済学編, 長沼伸一郎

2017-06-29 読了
講談社ブルーバックス

「物理数学の直観的方法」の著者が、現代経済学理論の解説をする。
この著者の方針として、中身の厳密性などよりも、なぜそんな概念・操作をする必要があるのかや、そのご利益の説明に紙面の大半が費やされている。
しかも今回は経済学だ。その発展の歴史や、そこに潜む思想などを、著者の視点で解説されているのが面白い。

それによると、「動的マクロ均衡理論」という現代経済学理論では、物理の「解析力学」の考え方が導入されているという。これが、少し前に世間で話題になった「インフレターゲット」の基礎となっているらしい。

ここまで高度な数学を使っていても、「経済学」は「文系」の学問なのか、というか、そもそも文系と理系とはなにか、という疑問がわいてくる。

もっとも、私は経済学については全く知らないので、ここに書かれていることが本当に経済学の教科書に載っているようなことなのか、不明。

この本を読んでいる途中で、「物理数学の直観的方法」も読みたくなってしまい、そちらをさきに「復習」した。