講談社文庫
2017-1-13 読了
とある大学で学会開催中に、その大学で事件が発生する。それでも学会はほぼ予定通り行われる、という、なかなか微妙な設定。シリーズの関係者が集まるためには必要だろうが。
自分の知っている学会(大会)と違うところもあり、文化の違いか、面白い。例えば、開会式、招待講演会、設計の展示会、など。
大学の学長や副学長などは、学者というより政治家、というくだりは、ニヤリとしてしまう。
自分の読み方だと、だれが犯人だろうか、とかのメインの謎について、ほとんど考えずに読んでいる。
雨宮まみ氏による「解説」で、この一作だけを読むだけでなく、シリーズを通して読まないと、メタな話は楽しめない、というようなことが正直に書かれていた。
また、森作品の魅力というか、次の作品もつい読みたくなる理由として、このメタなストーリィとともに、森博嗣のいろいろな思考・考え方に触れることができる、ということが挙げられているが、同感だ。
またシリーズの最初から、読み直さなければ。