2016-07-11 読了
2011年に出版された本をようやく読んだ。なんとなく知っていたこともあるが、放射性廃物についてよく知らなかったことが分かった。
- 原発は、停止状態でも、使用済み核燃料は熱いままなので冷やし続けなければならない。従って、電源喪失すると危険なのは変わらない。
- 使用済み核燃料は、再処理が行われて、プルトニウムとウランが取り出される。その残りは高レベル放射性廃物となる。それをガラス固化体にして処分する。このガラス固化体というものは、手で触れるような温度まで冷えるのに100万年かかる。
個人的には、この最終処分にかかる時間の長さを考えると、少なくとも日本国内には、その長期間にわたって変動しないような場所はないのではないかと思われ、そのために「原子力発電システム」は重大な欠陥があると認識した。
「もんじゅ」に至っては、水を使うことができないので、もし事故が起こったら何も対処できず、ただ破局を迎えるだけ、という恐ろしいことが書かれていた。
原発という開発された技術には敬意を示すが、しかしその立地は宇宙空間などに作れるならいざしらず、地球上に作る限りは変動から逃れられないわけで、「絶対安全」などとは絶対に言えない。