2011-04-03

不道徳な経済学 擁護できないものを擁護する, ウォルター・ブロック (著), 橘玲 (訳・文)

Defending The Undefendable, Walter Block
講談社+α文庫
2011-04-03 読了

リバタリアンという立場から、現在の社会・法律では違法・不道徳とされている人々を擁護する。私の理解によると、「私的財産権」「表現の自由」を何よりも重視する立場のようだ。そのため、税金が「国家による収奪」となるなど、多くの人にとって過激な思想にもうつる。

本書で紹介されている多くの例は、確かにその通り、と納得できるが、一部は、やはり私が「道徳」に汚染されているためか、抵抗のあるものもある。
  • 恐喝者
  • 満員の映画館で「火事だ!」と叫ぶ奴
裏表紙に「超訳」とあるが、確かに原著を逐語的に日本語になおしたものではない。出てくる例も「ホリエモン」「2ちゃんねらー」など、日本に住む人からみて身近な例に置き換えられ、文体自体もかなり意訳されているようで、いつもの橘玲節かと思うほどに読みやすい。

一般に「リバタリアン」の思想が知られていない現状を考えてか、橘玲が書いた「はじめてのリバタリアニズム」が導入として冒頭に置かれている。これもよい配慮だと思う。その一部分が著者のサイトで公開されている。