2010-07-30 読了
このタイトルをはじめに見た時、「渋滞学」の著者が、まったく畑違いの分野の本を書いているのかと思ったが、本書を読み進めるうちに、その共通性に納得した。
トヨタ自動車の「カンバン方式」の解説や、山田日登志氏によるムダ取りの実例を検証する部分が圧巻。
無駄を定義するには『目的』と『期間』を明確にすることが欠かせない
最後の章は、経済成長至上主義に疑問を提起している。たしかに成長が前提になっているというのは、持続性という観点からは相容れないように思われる。とにかくインフレを進めて、名目の成長を数字上得るのが重要なのだろうか。
「無駄」という意味では、小泉政権でせっかく進んだ郵政民営化を、民主党政権下で、たいして国民の支持も得ていない国民新党のゴリ押しで、再国営化がすすめられるなど、まさに無駄以外の何ものでもない。このような政治の話はツッコミどころ満載だがあえてこの本では取り上げなかったのだろう。