2021-10-30

亜玖夢博士の経済入門, 橘玲

2021-10-30 (2回目) 読了 (図書館)
文藝春秋

以前も読んだはずだが、とくに最後の方はほとんど覚えていなかった。

それはともかく、本のタイトルは「経済入門」となっているが、扱われている話題は「多重債務」「利権争い」「いじめ」「マルチ商法」「自分探し」で、経済? と思わないでもないが、さらにそれらで扱われている科学的な内容としては「行動経済学」「ゲーム理論」「ネットワーク理論(ワッツ、ストロガッツ)」「社会心理学」「ゲーデルの不完全性定理」と、経済の範疇を超えているように思える。

もちろん、この本を読んだだけでそれらの先端科学を理解できるわけではないが、どのような内容なのか雰囲気に触れることはできる(かもしれない)。

もっとも、そのような科学に興味が無くても、連続短編小説としてよくできていて、非常に面白い。

2021-10-03

ダブルマリッジ, 橘玲

文藝春秋
2021-10-03 読了(図書館)

この作家の小説は、「金融小説」とでもいうのかわからないが、オフショアやプライベートバンク、というキーワードで代表されるような、裏技的な節税手法や資産の海外移動などが題材になっていたが、この本は戸籍(国籍)がテーマ。

帯叩きには「知らぬ間に、妻とは別の女が戸籍に入っていた!」とあり、それがある意味、合法的になされるということで、「裏技的」ではあるが、それはまあスパイスというか前振りというか。それだけで引っ張るわけでなく、その種明かしは割と早い段階でなされる。

出版社のサイトには「ジャンル:エンタメ・ミステリ」とあったが、ミステリなのかな。ストーリーの先が気になる、という意味では立派なミステリかもしれない。読み始めたら一気に読み終えてしまった。

フィリピンが(も)舞台。

「相続時精算課税(の特例)」とか、ぽろっと税に関する豆知識が出てくる。小説を読んだだけだと、親が自分の子に2500万円まで非課税で贈与できるというように書かれていた気がするが、あとでネットで調べてみると、どうやら贈与の時点では非課税だが、その親が亡くなったとき相続税の計算対象には含まれるらしい。私の理解だと、不正確かもしれないが、生前にまとまった金額の相続をしておく、という意味合いのようだ。相続税が逃れられるわけではない。

2021-09-26

王城の護衛者, 司馬遼太郎

講談社文庫
2021-09-26 読了(図書館)

幕末の人物を取り上げた短編集。

  • 王城の護衛者: 松平容保
  • 加茂の水: 玉松操
  • 鬼謀の人: 村田蔵六(大村益次郎)
  • 英雄児: 河井継之助
  • 人斬り以蔵: 岡田以蔵

玉松操という人はこの本で初めて知った。 松平容保は幕末・新選組といったキーワードで名前は知っているが、その人が主人公の話は初めて読んだ。 村田蔵六は長編小説「花神」でおなじみ。 「英雄児」は別の短編集「馬上少年過ぐ」に掲載されていたはず。 岡田以蔵は読んだことあるような気もしたが気のせいか。「竜馬がゆく」などにも名前が出てきたはず。

2021-09-12

桶狭間の四人 光秀の逆転, 鈴木輝一郎

2021-09-12 読了(図書館)
毎日新聞出版

なぜか桶狭間の戦いに明智光秀も参加している(ただし、正式に織田家に仕官していたわけではない)というストーリー。なんというか、歴史小説ではあるが、そういう奇抜な設定や、あまりおもしろくないユーモアがあったり。よく言えば新機軸を打ち出している、悪く言えば、奇をてらっている。誰もが結末を知っている桶狭間の戦いに向かっていくので、そのストーリーで読み進めることができるが、かといって面白いかと言われれば、私には合わない感じだった。

2021-08-22

数学ガールの秘密ノート 行列が描くもの, 結城浩

2021-08-22 読了(図書館)
SBクリエイティブ

相変わらず、たいへん分かりやすく、かつ、数学に親しみやすく書かれていて、これだけ数式など出てくるにもかかわらず、数学の本としては驚異的に読みやすい。

「秘密ノート」シリーズの方は、比較的レベルを抑えて、基礎的事項やそのイメージをつかむことを目的にしているように見受けられる。 その目的はおそらくうまく達せられている。図が多用されているのも、理解の助けに大いに役立っている。特に、いわゆる一次変換による2次元平面上での座標の移動(変換、投影)は素晴らしい。行列式の値との関連も図で説明されている。

2021-08-16

一度は行きたい日本の美城, かみゆ歴史編集部(編)

2021-08-16 読了(図書館)
学研

オールカラーで写真を見るだけでも楽しめる。旅行ガイドブック的でもある。しかしそれだけにとどまらず、コラム欄には個人的に知りたかった「破風」や「石垣」の種類などの解説が簡潔になされていてよかった。

  • 切妻破風
  • 入母屋破風
  • 千鳥破風
  • 唐破風

香川の高松城(玉藻城)や丸亀城にも、重要文化財に指定されている櫓など(丸亀城は現存天守)があるということで、今度機会があれば行ってみたい。

2021-08-15

図解城のすべて, 鈴木亨(監修), PHP研究所(編)

2021-08-15 読了(図書館)
PHP研究所

1995年発行とやや古い本だが、城の時代時代による変遷を、弥生時代の集落とかから解説。現在我々が「城」と聞いて思い浮かべる豪華な天守は戦国時代にはほとんどなく、多くは江戸時代に大名の権威を知らしめる目的などのために作られた、という。

個人的に知りたかった破風や石垣の種類についてはあまり書かれていなかったが、縄張(なわばり)、曲輪(くるわ)、本丸、などの説明が楽しい。また、堀の断面形状にも種類があるというのには驚いた(水を抜いた時の底面が平面のものだけでなく、半円形のもの(毛抜堀)や円弧が重なって角状の溝になっているもの(薬研堀)などがある)。

名城40 として、全国の城の中からおすすめの40か所の見どころが挙げられている。もちろん天守がある城ばかりでなく、一乗谷のように遺跡といったほうがよさそうなところも含まれている。