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2022-02-05

新型コロナや違法行為に対する日本相撲協会の対応の一貫性のなさ

2022年2月5日
2022年2月9日 末尾に追記
2022年2月11日 さらに追記

ここ数日のあいだに、大相撲の関取多数に続々と新型コロナ感染が報告されてきている。日本相撲協会のWEBにもとづいて時系列に並べてみた。

1月29日(土):豪栄道引退武隈襲名披露大相撲

1月30日(日):栃煌山引退清見潟襲名披露大相撲

1月31日(月):御嶽海

2月2日(水):隆の勝, 大栄翔, 翔猿, 大奄美, 剣翔, 碧山

2月4日(金):栃ノ心, 貴景勝, 若隆景, 若元春, 荒篤山, 照ノ富士, 翠富士, 錦富士, 一山本, 豊山, 徳勝龍, 豊昇龍
(ついでに年寄:春日野(元・栃乃和歌), 竹縄(元・栃乃洋), 清見潟(元・栃煌山), 常盤山(元・隆三杉))

2月5日(土):嘉風引退中村襲名披露大相撲

2月6日(日):日本大相撲トーナメント第四十六回大会(中止)

2月11日(金):第54回 NHK福祉大相撲(?)

これだけ多数の力士に感染者がでたということは、1/29, 1/30 に実施された、豪栄道・栃煌山の引退相撲で感染が広がった可能性がかなり高いのではないか。少なくとも、引退相撲が、感染が広がるきっかけにはなっただろう。そこで感染した力士が部屋に戻って別の力士や親方らに感染が広がったということではないか。

念のため書いておくと、引退相撲では断髪式だけがニュース等で取り上げられることが多いが、それ以外にも、コロナ以前にやっていた地方巡業のように、現役力士の「取組」や、初切(しょっきり)などの出し物がなされている。これは言うまでもなく、お客さんを呼ぶためだ。お客さんを呼ぶのはお金を集めるためだろう。すなわち、現役力士は、引退した先輩力士の金集めのために、友情参加させられているようなものであろう。

日本相撲協会は、2021年5月場所後に、新型コロナウイルス対応ガイドライン違反ということで、当時大関の朝乃山に対して、「6場所(1年間)出場停止」の処分を決めた。この処分は、緊急事態宣言発令中にキャバクラに出入りしていたことに対して下されている。今年の1月場所の段階で朝乃山は十両まで番付を落としている。

一方、違法カジノに出入りしていた英乃海に対して、今年1月場所後に「1場所出場停止」の処分が下された。

この処分の大差について、相撲協会の説明では、朝乃山のケースは、(法律に違反したわけでもないのに)幸いにして本人もまわりの人も感染しなかったからよかったものの、万一感染者が出ていれば、協会関係者やお客さんらの健康・命に影響した可能性があるが、英乃海らは(法を犯したのに)常習性がないし、金額も少ない、ということらしい。

そうであれば、ここまで協会関係者にも感染が広がっているにも関わらず、2/5(本日)の嘉風の引退相撲は実施するという意思決定はいったいなんなのか。まだ症状が出ておらず、もしくは検査は受けたが偽陰性で実は感染している力士らが出場して、ほかの力士やお客さんらに感染が広がる可能性は結構高いと容易に想定できるだろうに。

新型コロナでは、2020年に高田川部屋の勝武士が亡くなったことは記憶に新しい。くれぐれも、第二の勝武士を出さないでほしい。

違法という点で最近処分された力士として、貴源治がいる。2021年7月場所後に、大麻所持という違法行為に対して、懲戒解雇処分が下されている。このケースと比較しても英乃海の処分は非常に甘いと誰もが感じるのではないか。

新型コロナウイルス感染症に関する対応にしても、力士の処分に関しても、まったく一貫性が見られない。これで「コンプライアンス」とか言って恥ずかしくないのだろうか。

言いたいことは、英乃海の処分が軽すぎるというのではなく、朝乃山や貴源治の処分が重すぎるし、基準もバラバラ。 現役力士あっての相撲協会なのだから、もっと力士を大事にしてほしい。

過去には、朝青龍が巡業をさぼってモンゴルでサッカーしたことに対して2場所出場停止とかあったが、そもそも、巡業や引退相撲などのいわゆる花相撲など、本場所の取組と比べたら、まるで真剣さがなく、顔見せ以上の意味があるとは思えない。むしろ「演技」を覚えることで八百長の温床になっているのではないか。そんなのにまで力士をこき使うくらいなら、本場所に向けて合同稽古でもやって力士の実力向上のためになるようなことをして欲しいと思うのは、私だけだろうか。

(2022-02-09 追記)

本日(2月9日, 木)、日本相撲協会から、さらに感染者の発表があった。

志摩ノ海, 紫雷, 美ノ海, 千代の国, 宝富士, 正代, 霧馬山, 天空海, 明生
年寄:陸奥(元・霧島), 浦風(元・敷島), 時津風(元・土佐豊), 立浪(元・旭豊), 甲山(元・大碇), 境川(元・両国), 木瀬(元・肥後ノ海), 小野川(元・北太樹), 安治川(元・安美錦), 楯山(元・誉富士), 勝ノ浦(元・起利錦)

みなさん軽症であってほしい。

全協会員におきましては、今後も「新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」に基づき感染予防を徹底し、感染拡大の防止につとめてまいります。

そうであれば引退相撲は中止すべきだっただろう。(大相撲トーナメント、NHK福祉大相撲は中止が決まった)

(2022-02-11 追記)

2月10日(木):宇良, 平戸海

これだけ看板力士に感染が広がっているのに、相撲協会は誰も責任をとろうとしない。

また、両国国技館におきましても、感染拡大予防に対応した施設環境の整備や衛生対策を推進し、国技館に出入りされる全ての皆様の健康と安全を確保するための十分な注意を行ってまいります。

これが本当なら、いまのこのような感染拡大はなかっただろう。 3月の大阪場所は観客ありで開催するようだが、関取の多くがコロナで休場したら、本場所やれなくなるだろうに。

2021-05-15

親方はつらいよ, 高砂浦五郎

2021-05-15 読了(図書館)
文春新書

先代高砂親方・元大関朝潮の「親方論」(?)

2008年7月の発行。朝青龍が不祥事で2場所出場停止処分をうけた年の次の年。まだバリバリの現役横綱だったころ。その不祥事の記憶がまだ新しいころに書かれた。そのせいかどうか、一章は朝青龍の写真とその騒動の話からはじまる。当時、マスメディアなどでは朝青龍だけでなくその師匠の著者もさんざん叩かれたが、叩かれた側の事情・言い分もわからないではない。朝青龍は治療などのため巡業を休んでモンゴルに帰国していたが、地元では当然ながら有名人で、

「日本の外務省を通じてモンゴル政府からの要請があり、友好のためにやった」
「当初はイベントでTシャツを配るだけの予定だったが、周囲に乗せられ痛みを押してほんの短時間サッカーをやった」

ということのようだ。そういわれると、そこまで厳しい処分を受けることだろうか、という気がする。そもそも巡業をけがの治療で休んだのは正当だろう。いまはコロナ禍で巡業どころでないし、個人的には巡業は日本相撲協会としての収益事業で、それが力士の仕事と言われればそれまでだが、年6日(90日間)ある本場所が終わったとたんに、毎日長距離移動をともなう巡業にでなければならないとなると、休む間もなく気の毒に思っていた。

親方論というか弟子の指導に当たっての考え方は興味深い。相撲の親方だけでなく、後輩や部下などの指導・教育は、手取り足取りやればよいかと言えば、自分で考える力が養えないし、さりとて放任でよいかといえば、素質があっても伸びない可能性があり、正解はなく、その加減も難しい。この本でも、相手の素質や性格などによって指導法を変える、というようなことが書かれていた。

3章では、2007年の時津風部屋新弟子急死事件の話から始まり、「角界の流儀」が語られる。ここの話の一部については同意できない。ほかの箇所では、時代によって弟子の気質などが変わってきているので、昔ながらの部屋の雰囲気や稽古内容ではだめで変えていかなければならない、というような真っ当なことを書いているのに、この部分では、この事件で協会理事長の責任を問うような報道などに対して、協会や相撲部屋の組織の説明をするだけで、その組織構造の問題が問われているという自覚が無いようだ。

私は、相撲という伝統的な競技が好きだし、その伝統も大切だと思っているが、それと法人としての日本相撲協会やそれにぶら下がっている相撲部屋という組織の伝統は別問題だと考えている。貴闘力が自身の YouTube 番組で指摘している通り、その組織には非常に問題が多く、「年寄株」「お茶屋」「八百長」などの例を挙げるまでもなく、改善すべきと思う。相撲部屋にいったん入門したら力士の都合では部屋を変われないなんて、親方の都合でしかない。相撲部屋という制度も特に必要とは思わない。

そんな朝潮さんも定年で師匠としては引退された。人柄がよく出ている本だった。

2019-10-19

知れば知るほど 行司・呼出・床山, 「相撲」編集部 (編著)

2019-10-19 読了
ベースボール・マガジン社

日本相撲協会に所属する、裏方の、行司、呼出し、床山の仕事に焦点をあてた本。その仕事内容の多様さゆえか、行司のページ数が非常に多い。取組の判定、場内アナウンス、番付表などの相撲字書き、などは知っていたが、巡業でも先に巡業地に乗り込んで、関係者の宿割りやバス割(誰がどのバスに乗るか)を行ったり、所属する相撲部屋の雑用などもされているそうで、非常に大変な仕事だと感心する。

呼出しもいろいろ仕事はあり、土俵を作ることから始まり(土俵築)、場所中の土俵の維持(掃除)、土俵回りの雑用(座布団を渡したり、水を渡したり)、太鼓をたたいたり。

床山は、書かれているのはほぼ、髪を結うこと、のみ。

それぞれの仕事で使う道具・材料を作っている会社というか職人も取り上げられている。行司の装束、草履、呼出しの裁着袴(たっつけばかま)、太鼓、床山が使うつげ櫛、びんつけ油。それぞれほとんど家族経営というか、職人仕事で成り立っているらしい。将来は大丈夫かと心配になってしまう。

2019-10-16

大相撲の道具ばなし, 坂本俊夫

2019-10-16 (?) 読了
現代書館

相撲にまつわる「道具」の蘊蓄話がいろいろ。道具と言っても、国技館のことも出てくる。

稽古廻しは相撲協会の事務所で売っている、だとか、面白いネタ多数。

2019-07-28

しろくまジローはすもうとり, ななもりさちこ

福音館書店
2019-07-28 読了

いうまでもなく子供向けの物語である。出版社のサイトによると、小学中学年向けの本。しかし、私が相撲好きということを差し引いても、良い本だ。

しろくまが人間の力士に変身するという設定は奇抜だが、相撲部屋での稽古や生活、出稽古、本場所の取組などなど、ストーリーも面白いし、泣ける場面もある。

作者はかなりの相撲マニアに違いない。相撲部屋での食事は一日2食だとか、夜に「あんみつ稽古」に外へ出て行ったりするとか、関取(十両以上)にならないと大銀杏を結ってはいけないとか。

2019-06-16

綱の力, 九重貢 (第58代横綱・千代の富士)

ベースボール・マガジン社
2019-06-16 読了(図書館)

2011年の本。
さほど大きくない身体だが、ものすごい筋肉で、私の中で「強い横綱」と言われてまず思いつくのが千代の富士だ。

自宅の畳を数カ月に1度張り替えなければならないほどの凄まじいトレーニングを積んで、あの身体を作り上げていたという。
後進の力士たちへの言葉も、要約すれば「もっともっとしっかり稽古しろ」ということだろう。

これだけの実績を残した大横綱でも、 Wikipedia によると、理事選で落選したことがあるという。現役時代の強さと組織を運営していく能力の高さとは必ずしも一致しないだろうが。

2019-06-15

生きざま, 貴乃花光司

ポプラ社 2012年12月発行
2019-6-15 読了(図書館)

あまりにも真っすぐ、ストイックだ、というのが読後の感想。
あとがきにも書かれているが、「相撲」「師匠(父)」「自分」のことで埋め尽くされている。

当時、いろいろとメディアを賑わわせた、兄弟の不仲や洗脳騒ぎ、などなど、とくに詳しく貴乃花の側から説明されているわけでは無いが、口数が少ない師匠の「分け身」として、自身もまわりの理解を得るための十分な説明ができない・しないので、いろいろと溝が深まっていったのではないか。それは、子供のころから人気力士の息子としてメディアからも注目されていたが、「取材やテレビ出演は大嫌いだった」(母や兄は嬉々としていたが)と書かれているし、マスコミに見当違いのことを書かれても、そこで反論しても「真実をわかってはもらえないのだ」とも書かれているように、自分は自分、他人は他人、と思うようになっていったのではないかと勝手な想像をする。

その後、相撲協会を退職し、奥さんとも離婚し、「一般社団法人貴乃花道場」設立、とますます我が道を行っているが、本人は「自分の信じる道を行く」「周りには分かってもらえない」という思いなのだろうか。この本の最後の方でも触れられているが、相撲の将来を憂い、子供たちに相撲を広めることに相当関心があるように見受けられる。

叔父、父、私とつないできた相撲界と花田家の因縁は私の代で捨てよう。その代わり、この身は惜しむことなく骨の髄まで相撲道に捧げよう。

  • 大関昇進伝達式の「不撓不屈」(ふとうふくつ)という言葉を考えたのは師匠
  • 横綱の伝達式のときの「不惜身命」(ふしゃくしんみょう)という言葉は、女優の藤真利子さんが緒形拳さんに相談して提案された言葉

力士の肖像, 塩澤実信

ベースボールマガジン社
2019-6-15 読了(図書館)

江戸時代から昭和のころまでのさまざまな「力士」を取り上げている。ここで取り上げられるのは、小説・エッセイ・錦絵・銅像など、なんらかの作品の題材になった力士とその作者。

この本自体が1995年に出版されているし、私からすると昔の力士がほとんどで(例外は、小錦と、辛うじて親方時代を知っている貴ノ花(貴乃花の父)くらい)ほとんどなじみがない。しかし、双葉山や柏戸など有名力士も多く、ぜひそういう力士の相撲の動画でも残っていたら、と思う。

面白いのは、江戸時代には、巨人や異様に身体の発達した怪童を大関や幕内欄外に「張出し」て、相撲を取らない力士として土俵入りさせ、見世物・客寄せにしていたということだ。ここで取り上げられている「大空」は身長 220 cmとも言われているらしい。

今も昔も、「横綱」になれるかどうかは、人が決めることなので、その時々のいろいろな状況によるというところが興味深い。雷電為右衛門など通算254勝10敗2分け14預かり5無勝負というとんでもない成績だが横綱にはなれなかったという。

2019-04-21

平成大相撲決まり手大事典, 新山善一 (著), 琴剣 (絵)

2019-04-21 読了(図書館)
国書刊行会

書名は「決まり手大事典」だが、面白かったのは序章の相撲の歴史と、第一章・基本動作と基本技。相撲用語でよくわからない言葉No.1の「おっつけ」の項目もあるが、本文ではやはり何のことかわからず、琴剣さんの絵の解説で分かった気になれた。

  1. 相手の腕に手のひらを下方から当てて上に持ち上げる
  2. おっつけた手と同じ側の足を前に踏み込んで腰を入れれば、相手は腕を伸ばされて重心も崩れることになる


第二章以降の個別の決まり手の項は、昭和初期やそれ以前の力士の取組も例に挙げられているが、動画などほとんど見られないだろうし、ふーん、という感じ。

「つき手」「つきヒザ」の項では、平成17年7月場所8日目の朝青龍-琴ノ若戦の判定を「審判の不手際」と言い切っているところがよい。この一戦は、朝青龍が完全に裏返しになったが、琴ノ若のまわしを離さず、ブリッジのような体勢になって止まった。琴ノ若は朝青龍を下敷きにするのを避けるため、左手をついて「かばい手」。行司の木村庄之助はそれを認めて琴ノ若に軍配を上げたが、物言いがつき、「朝青龍の体が落ちるのと琴ノ若の手がつくのが同時とみて取り直し」となってしまった。他の本かどこかで(どこで読んだか聞いたか思い出せないが)、この一番のようになったときには、下の力士(朝青龍)はけがを避けるため、まわしを離さないといけない、とのこと。「かばい手」のようなルールが認められているところが、相撲は相手があってのもの、ということを表していて奥深いところだ。

2019-03-28

「横審の魔女」と呼ばれて, 内館牧子

2019-03-28 読了 (図書館で借りた)
朝日新聞出版

これは面白い。

初の(そして今のところ唯一の)女性横審(横綱審議委員会)委員であった内館牧子さんが、在任中に週刊誌に連載していた、横審でのやりとり・発言などのレポート。横審は正式な議事録とか作っているのだろうか。せめて議事概要だけでも日本相撲協会のWEBで公開してほしいものだ。(していたらすみません)

内館さんがその任を務めていたのは2000年~2010年ごろのようだ。その任期のはじめのほうには貴乃花と武蔵丸との優勝決定戦(当時の小泉首相が表彰式で「感動した!」と言った一番)があり、任期が終わるのとほぼ同時に朝青龍への引退勧告。なかなか激動の時期。

この本の中でも触れられているが、「土俵上の女人禁制」について、内館さんは「女性が土俵に上がることには反対である」と明確に発言されている。この問題については、最近でも、宝塚市での巡業の際に、女性市長が土俵上で挨拶するのを断られたりしているが、その理由を協会は明確に答えているのだろうか。私は、この本を読んで、内館さんの主張に納得した。男女平等というのはグローバルスタンダードだが、伝統芸能・文化や神事にグローバルスタンダードを持ち込むのは筋違いということだろう。

本書で繰り返し述べられているが、大相撲は勝ち負けを争うただのスポーツではない。何百年もの歴史・伝統を受け継いでおり、歌舞伎などと同様にある種の伝統芸能みたいなものである。それがゆえに「公益財団法人」に認可されてさまざまな優遇を受け、NHKでも全国放送され、力士の地位も保護されている。それがゆえに「品格」が要求される。プロレスやボクシングなどの選手にくらべてみればわかる。

まあ、(控えめの)ガッツポーズとか、花道を下がった後の「クソッ」という声とかくらいは、あってもよいのではと思う。また、外国人力士をこれだけ受け入れておきながら、千秋楽の表彰式では、国歌斉唱として「日の丸」しか流れないのもどうかと思う。それらを思うと、今年2019年1月場所の千秋楽で玉鷲(モンゴル出身)が遠藤に勝って優勝を決めた瞬間に、数秒間土俵上でじっとしていたシーンは、思い出すだけでも感動する。あんまり関係ないかもしれないけど。

あと土俵上の女人禁制問題は、土俵上で相撲だけやればよいものを、本場所では理事長挨拶や表彰式も土俵上でやるし、巡業では各種の出し物(お好み: 相撲甚句、髷結い実演、など)もやったりしているから誤解を招くのではないか。相撲の取組以外のものは別途ステージを用意してそちらでやれば、土俵上は神聖な場所である、と明確に言えるだろうと思う。

2019-03-26

大相撲語辞典, (著) 福家聡子, (監修) 木村銀治郎

2019-03-26 読了 (図書館)
誠文堂新光社

相撲界の外部(私のように、見る専門の人など)の人も使うことがある用語(まわし、上手、四つ、etc.)だけでなく、相撲界で使われる特殊な言葉 (?) もいろいろと掲載されている。

「ひたち」見栄っ張りで大きなことをいう人
「ハガミ」お金の借用書のこと
「ヌケヌケ」勝ちと負けを交互に繰り返すこと

などなど。面白いところでは

「肉の多い大乃国」回文になっている
「富岡八幡宮」横綱力士碑がある

など。

「八百長」の語源は、八百屋の長兵衛からきているらしい。
イラストも面白い。割と実在の力士によく似ている。

2019-03-04

横綱 朝青龍, 野村誠一 (撮影)

2019-03-04 読了 (図書館)
ゴマブックス株式会社

日本とモンゴルで撮影された (?) 綺麗な写真とともに、朝青龍へのインタビューをもとにした文章。

あまり記憶になかったが、朝青龍は巡業をさぼって、モンゴルでイベントに出演したりしたことが理由で、2場所連続の出場停止処分を課されたことがあるらしい。

私は以前から思っているが、力士をもっと休ませてあげてほしい。年に本場所が6回でそれぞれ15日だからそれだけで90日。その間に巡業や別の興行が沢山。たしかにファンとしては力士を見られる機会が多いのは嬉しいが、旅行に行ったり、じっくり休養してけがを治したり、稽古に励んだりするのには時間が短すぎるように見える。

それで (?) 自主的に (?) 休んだ朝青龍をバッシング。横綱だってなにをしても良いではないか(犯罪はだめだが)。「品格」という、訳の分からないもので縛っても面白くない。

ついでに本には関係ないが、日ごろから思っていることとして、なぜ外国出身力士が優勝した時も、表彰式で「君が代」が流れるのだろうか。もっと国際的にして、いまよりもたくさん外国人力士が参入してくるようにしたら良いではないか。

特等床山・床寿の話が興味深かった。これまで床山さんの姿や肉声はおろか、それについての文章すら目にすることがなかった。65歳で定年だそうだが、中学卒業後に入門して約50年間も大相撲の世界に携わる。その床寿の話で、横綱は場所中でも外(飲み屋とか)に出ていくほうがよい、というのがあった。部屋にいていろいろ考えこむより、パーッとやったほうが良いということらしい。深い。

力士の世界は厳しい。本場所中の成績がすべて。1日1番の取り組みの積み重ねで、次の場所の地位が決まる。それはすごい緊張感だろう。それだからこそ、真剣勝負が見られるというものだ。

2019-03-03

相撲のひみつ, 新田一郎 (著), 曽根愛 (イラスト)

2019-03-03 読了 (図書館)
朝日出版社

東大法学部教授(相撲部部長)による相撲本。これまで自分が読んだ相撲本はいわゆる「大相撲」関係者が書いた本だったが、これはタイトルも「大相撲」ではなく「相撲」一般ということで、立ち位置が異なり興味深い。そのため、アマチュア相撲のことにも触れられている。また、相撲の戦術というか、3つの間合いとそれに応じた戦術(押し、突き、寄り)についての解説も面白い。

興味深かったのは、昭和2年1月場所の土俵と仕切りの写真。二重の土俵、四隅に柱がありその前に審判が座っているなど、だいぶ現在と異なる。なかでも、立ち合いは、仕切り線がなく、力士は頭をつけあった状態から立ち会っていたという(仕切り線ができたのは昭和3年かららしい)。そのため、現在のように立ち会った直後に激しく当たるということがなかったようで、おそらく今ほど「突き押し」力士というのはいなかったのではないか。

観客から見やすくするために、高い「土俵」にし、土俵から出たら負け、という独特のルールが加わったようだが、そのような相撲の進化というか現在に至る過程がおもしろい。

2019-01-20

大相撲の解剖図鑑, 伊藤勝治 (監修)

エクスナレッジ (2016年9月発行)
2019-1-20読了 (図書館で借りた)

第34代木村庄之助(立行司)を務めた伊藤氏が監修。
力士などの写真はないが、大相撲に関する知識を豊富に収録している。力士の給料体系とか懸賞金とかの情報もある。
相撲茶屋に席を案内されたり弁当屋おみやげを持ってきてもらった時には心づけを渡す習慣がある、とか、懸賞金は明治くらいまでは客席からおひねりを土俵に向かって投げ入れていたのをやめて制度化された、など初めて知る知識が多数。

2019-01-19

大相撲知れば知るほど, 「相撲」編集部

ベースボール・マガジン社
2019-1-19 読了 (図書館で借りた)

力士のオフショットがたくさん載っている。但し3年前くらいの出版なので、貴景勝とか最近伸びてきた力士は載っていない。逆に、最近幕内に見当たらない力士も割といる。力士の世界の厳しさだろう。
相撲ネタというか知識も豊富に知ることができる。関取の荷物は「開け荷」という箱に入れて運ぶ、とか。