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2026-04-26

マスカレード・ゲーム, 東野圭吾

集英社文庫
2026-04-26 読了

まだまだ続く、マスカレードシリーズ。第4作目の本作も、やはり舞台はホテル・コルテシア東京。 シリーズ物の魅力の一つは、おなじみのキャラクターが登場し、本題とは別に、メタなストーリーも進行するところ。 本作でも新田や山岸が活躍する。 新たなキャラも登場。 メタストーリーでは、最後に新たな展開があった。(公式サイトで先に見てしまったが...)

ハラハラ、ドキドキ度(? 登場人物が危ない目にあいそうになったり)は、これまでほどではない気がするが、個人的にはそういうドキドキはしたくないので、ちょうどよい。

2026-02-11

ω城の惨劇, 森博嗣

2026-02-11 読了
講談社文庫

長く続いた「Gシリーズ」の最終巻(?)。しかし単行本は2022年に「オメガ城の惨劇」という題名で、ノンシリーズとして出版されていたらしい。 そもそも G シリーズでは、途中まで、西之園萌絵やその学生たちが中心に描かれていたが、彼らは本作では登場しない。とはいえ懐かしい名前もちらほら登場する。そこが楽しい。

それにしても本当に G シリーズ完結なのか? これまでの話で回収されていない伏線があるような、ないような。まあ勝手にそう思い込んでいただけかもしれない。

2026-01-10

マスカレード・ナイト, 東野圭吾

集英社文庫
2026年1月10日 読了

ホテルの「マスカレード・ナイト」というイベントに乗じた事件のストーリー。すべてが綿密に計算されている。最終的な犯人も、伏線としてきちんと登場している。 ホテルだから、いろいろな客が出入りしており、いろいろな挿話があるのだが、微妙にいろいろ絡み合っていて、事件に全く関係のない話はなさそうだ。なかなかの長編だが、一気に(といっても、そんなまとまった時間は無かったが)読んでしまった。

2026-01-01

マスカレード・イブ, 東野圭吾

集英社文庫
2026年1月1日 読了

登場人物は前作と一部重なる。 ちょっと短編集のような雰囲気があるが、最後(?) 本編(?) のプロローグ的な位置づけかもしれない。それでもしっかりとオチがある。 本編ももちろん面白いが、個人的には「仮面と覆面」が良かった。

2025-12-21

マスカレード・ホテル, 東野圭吾

集英社文庫
2025年12月21日 読了

ほぼ、あるホテルの中だけでストーリーが進む。物語の中で進む時間も、1週間程度だろう。

あらすじはネタバレになるので書かないが、いろいろな読み方ができる小説と感じた。 ミステリー小説として、犯人が誰かを考えたり、トリックを考えながら読むのももちろんありだろう。 個人的には、メインのストーリはもちろん、登場人物の人となりを示す挿話も、そのまま流れに身をまかせて、展開を楽しみながら読み進めるのが心地よかった。

2025-05-29

宙わたる教室, 伊与原新

文芸春秋
2025年5月29日読了

ネタ(定時制高校での実験内容など)は、実際のモデルがあるようだが、とにかく面白い。小説では定番の学園ものではあるが、それほど学生をその気にさせる先生の力量というものにも感服する。また、単なる学園ものとしても楽しめるが、研究の試行錯誤を追体験するとか、純粋にそんな実験ができるのか・あるのかという好奇心などがかきたてられる。

2025-04-11

月まで三キロ, 伊与原新

新潮文庫
2025-04-11 読了

本屋で平積みになっていたのをたまたま見かけ、開いて読み始めたら、先が気になり、買って読んだ。

単行本は2018年に出版されているようだ。短編集。帯には「泣ける話」みたいなことが書かれていたように思うが、表題作の「月まで三キロ」は確かにしんみりする。詳しくはネタバレになるので書かないが、月が子どもみたい、というのは、説明されると確かに納得させられる。

どの話も、科学に関する話題が練りこまれていて、濃淡はそれぞれだがうれしい感じがする。「エイリアンの食堂」では、つくば市の高エネルギー加速器研究機構が出てくる。世界で一番小さいものを研究していると同時に、世界で一番大きなものを研究しているということにもなる、という言葉が印象に残った。

ほかの本も読みたくなった。

2025-01-04

プレミアリーグサッカー戦術進化論, Michael Cox (著), 田邊雅之 (訳, 著)

二見書房
2025-01-04 読了

The Mixer: The Story of Premier League Tactics, from Route One to False Nines

オリジナルの英語版は2017年に出版されているが、そちらは全25章で 2016/17 シーズンまでの話をカバーしているようだが、この日本語版では第26章で 2017/18 の Manchester City が取り上げられているほか、第27章と補章を田邊さんが担当し、第27章では 2018/19 シーズンとイングランド代表の活躍までカバーし、補章ではプレミアリーグ(というかイングランド)に挑戦した日本人選手について触れられている。もっとも、この本が出版されたのが 2019 なので、当然そこまでの話題。

読んだ印象としては、邦題の「戦術進化論」というのはやや大げさな感じがする。原題にあるように「Story of Premier League Tactics」というのが良い気がした。戦術に注目してプレミアリーグの 25 年の歴史をたどっていく、というような感じ。

それにしても、サッカーの世界は、プレミアリーグだけに限らず、ほかの主なリーグはどこでも、変化が速いと感じる。1シーズン中に何度も監督を交代させるチームも珍しくない。その大きな理由の一つはおそらく、成績が悪いと下位のリーグに降格してしまう(そうするとクラブの財政も厳しくなる)ということがあるようにおもう。そう思うと、Sir Alex Ferguson や Arsène Wenger みたいに 20 年以上も同じチームを指揮し続けるというのは、奇跡のように思われる。

2024-10-15

塞王の楯, 今村翔吾

集英社文庫
2024-10-15 読了

主に大津城を舞台に、石垣のプロ集団の穴太衆と、同じく技能集団である国友衆(鉄砲)との戦いを主軸にした物語。特に穴太衆については、石を積むというところに注目しがちだが、石場で石を切り出し、それを必要な場所まで運搬することも、劣らず重要ということと、技術の話なので、ある程度定量的な記述があるのが、少なくとも私の読んだことがある歴史小説にはほとんど見られないものだったので、新鮮に、また、好ましく感じた。

下巻で戦の場面になると、なんというか、やや人間離れしたような感じになり、宮部みゆきでいうところの超能力者とか、歴史小説では忍者物のような感じになり、やや現実離れした印象を受けた。

それにしても一気に読まされてしまった。舞台となったところ(大津城はほとんど残っていないようだが)など訪れてみたい。

2023-06-18

3.11大津波の対策を邪魔した男たち; 島崎邦彦

青志社
2023-06-18 読了

政府の地震調査委員会や原子力規制委員会などでも要職を務めた著者が、地震調査委員会長期評価部会長として関わった、「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価」などの話と、そこで挙げられた津波地震を都合の悪いものとして考慮したくなかったと思われる、東電など原子力業界の(著者から見た)動きが、描かれている。

通常は表に出ない、役人らの実名も挙げられていて興味深い。やや残念なのは、「原子力ムラ」という言葉で関連業界・行政を表現していること。まあ著者の側はそちらではないので、そちらの内側の記述が相対的に少ないのはやむを得ない。

2023-01-22

デセプション・ポイント; Dan Brown (著),  越前敏弥 (訳)

角川文庫 2023-01-22 読了(図書館)

ダン・ブラウンが2001年に発表した小説。アメリカ・ホワイトハウスや NASA, NRO (国家偵察局) など、またまた実在の組織が舞台・題材になっている。

ストーリーは、ネタバレになるので詳しくは書かないが、かなり強引な設定で進む印象。そして、ほとんどお約束の黒幕。それでも話に引き込まれ、続きが気になり、なかなかやめられない。この作者のほかの作品と同様、スリルというか、危機的な状況が何度も訪れ、私のような心臓の弱い(?)読者には刺激が強い。

キーワードとしては、隕石、地球観測衛星、化石、沈み込み、マグマ、などなど、個人的になじみのある分野が扱われている。隕石や化石に詳しいわけではないが、設定としてはまあ悪くないかな、という感じ。一方、軍事技術、航空機、推進機構などは、現在(といってもこの小説が書かれたのは20年以上前だが)存在しているとは思いにくいものが結構出てくる。本の最初に「この小説で描かれる科学技術はすべて事実に基づいている」とあるが、まあそれをどこまで真に受けてよいのかはわからない。

2023-01-03

傑作! 巨匠たちが描いた小説・明智光秀; 吉川英治, 池波正太郎, 山田風太郎, 柴田錬三郎, 井上靖, 海音寺潮五郎

宝島社文庫
2023-01-03 読了 (図書館)

6人の作家による、明智光秀が出てくる短編小説集。しかしその作風はそれぞれ異なり、海音寺潮五郎の「明智光秀」は小説というより、作者自身が「ぼく」として登場し、自分の考えを述べる文章。吉川英治「茶漬三略」は明智光秀というより豊臣秀吉が主役。池波正太郎「鬼火」は本能寺の変に巻き込まれた忍者が主役。山田風太郎「忍者明智光秀」はそのタイトルの通り、設定がかなり特異。柴田錬三郎「明智光秀」も本能寺の変とそれに関わるというか、裏で筋書きを描いた忍者の話。井上靖「幽鬼」は、光秀が攻めた波多野氏の悲劇と本能寺の変。

一口に歴史小説と言っても、もっともらしい史実を下敷きにして話を作るだけでなく、かなり荒唐無稽な設定に仕立て上げるものもある幅広い・自由なものであるということが分かった。

2022-12-10

ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版, Dan Brown (著),  越前敏弥 (訳)

角川書店
2022-12-10 読了 (図書館)

「ダ・ヴィンチ・コード」の小説だが、作中に登場する絵画や場所、地図などが掲載されているので、私のようにインターネットでどんな場所・絵かすぐに調べたくなる人には非常に良い企画。

小説は、前回読んだのが15年(以上)前のはずで、ほとんど覚えていなかった。おかげで新鮮な気持ちで読めてよかった。 記憶の中では、もっといろいろな謎が出てきたようにも思ったが、謎解きと言えるのは、作中の重要人物のジャック・ソニエールが仕掛けたものが大半で、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の解釈程度。「モナリザ」も出てくるが、ラングドン教授が講義で説明する程度。本作を貫く主要なテーマではある。

「天使と悪魔」の展開とやや似た部分もある。気味の悪い殺人者の存在がずっとちらついていたり、黒幕、作中での時間の短さ(今回は2~3日?)などなど。スピード感が感じられ、これはこれで非常に効果的。ただ展開がかなり強引に感じた。

現地に行ってみたいものだ。

2022-11-19

ANGELS & DEMONS (天使と悪魔), Dan Brown, 越前敏弥 (訳)

角川文庫
2022-11-19 読了 (図書館)

「ダビンチ・コード」で有名な作者による「ラングドン」シリーズの第一作らしい。といっても私は「ダビンチ・コード」しか読んだことが無いので良く分からない。

この作品はイタリア・ローマが主な舞台で、名所がたくさん出てくるので、なんか親しみがある。ローマには一度だけ行ったことがあり、訪問したことのある場所もいくつか出てくるので、なにか親しみがわく。また、訪問しなかったところが出てくると、ちょっと残念な気分になる。google map の street view などで小説の舞台になっている場所をついつい見て確認したくなる。

肝心の小説の中身は、ミステリなので、例によって詳しく触れるのはやめておくが、「ダビンチ・コード」ほどは謎解き要素が少なく、前半部などむしろホラー的な部分もある(とはいえホラー小説と呼ばれるものをほとんど読んだことが無いので、そうは言わないのかもしれないが)。話の展開がスピーディで、はじめから映画化を狙っていたようにも思える。

「ダビンチ・コード」を読んだのはもう10年以上前なので、また機会があったら読み直してみたい。それにしても、ラングドン教授は不死身だなあ。

2022-11-06

「役に立たない」科学が役に立つ, Abraham Flexner, Robbert Dijkgraaf, 初田哲男(監訳), 野中香方子(訳), 西村美佐子(訳)

The Usefulness of Useless Knowledge
東京大学出版
2022-11-07 読了 (図書館)

プリンストン高等研究所の初代所長 (Abraham Flexner) と、前所長かつオランダの現教育・文化・科学大臣 (Robbert Dijkgraaf) が著している。もともと Abraham Flexner が書いたエッセイに Robbert Dijkgraaf が解説のようなエッセイを追加で書いたようだ。

内容は、なんというか、タイトルの通り。日本で、歴代のノーベル賞受賞者が、機会あるごとに基礎科学研究の重要性を述べているが、日本の高等教育・科学技術行政は「選択と集中」というスローガンに代表されるように、役に立つ・応用に直結する研究が求められ、基礎研究というか研究の多様性を守る・育てるというような政策は顧みられていないように思える。そのようなことは日本だけかと思ったが、世界を代表する米国の研究所の所長経験者も、それぞれの時代の風潮を感じてこのような文章を書いているほどだというのには、やや驚いた。

両方の文章にはそれぞれ著名な科学者・発明家などが多数挙げられ、多くの場合、役に立つことを目指して研究していたわけではなく、それぞれの精神・好奇心の導くままに探求した成果だということ、また将来どのような応用につながるかを見通すことは困難だということ、が繰り返し述べられている。もっとも、今わからなくても将来何かに役立つから基礎研究が重要なのだ、と言っているわけではなく、研究というものは精神の自由な思考・試みのもとでないと真に新しいことはできないからだ、というようなことが書かれていた(かなりうろ覚えなので文言は不正確)。

2022-10-10

司馬遼太郎と城を歩く, 司馬遼太郎

2022-10-10 読了(図書館)
光文社

これは司馬遼太郎が亡くなった後に出されているので著者が「司馬遼太郎」というのは違う気がするが、ともかく司馬氏の小説や「街道をゆく」などの作品中で触れられている城についての文章が約2ページ分引用されていて、それにちょっとした解説やその城周辺の街などの見どころなどが掲載されている。個々の城の情報はそれほど多くないが、例えば、大坂城の節で大村益次郎殉難報國之碑(大村が京都で刺客に襲われたあと治療を受け、また亡くなった病院があった場所)について触れられているという具合。

行ったことがある城でも、そのように、訪れていない場所などが紹介されていたりするので、また行きたくなる。

2022-09-25

ψの悲劇, 森博嗣

2022-09-25 読了
講談社文庫

このシリーズは「Gシリーズ」というらしいが、当初は(?) 加部谷とか山吹とか割と決まったメンバーが毎回登場していたと思うが、前作、今作では一切登場しない。これ以上何を書いてもネタバレになりそうなので、内容には触れられないのだが。

文庫版が発売されてから一年以上経つが、なかなか手に取る気分にならなかった。ひとつは個人的な理由で単に時間をとられそうだったということだが、別の理由としては、内容が重そうと想像していて、軽い気持ちで読み始められなかったというのが大きい。実際に読み始めてみたら、やはりさすがに読ませるので、休日を一日使って一気に読み終えてしまった。

犀川・萌絵とか、小鳥遊練無・香具山紫子とかの、漫画のようなやり取りもなかなか楽しかったが、そのイメージとはだいぶ異なる(?)

このシリーズはあと一作で終了ということが予告されており、しかしながら先に発売されるはずのノベルズ版も未だ音沙汰がないので、次は一体いつ読めるのか、まったく分からない。

2022-08-07

信長はなぜ葬られたのか, 安部龍太郎

幻冬舎新書
2022-08-07 読了 (図書館)

織田信長が明智光秀に討たれた「本能寺の変」の真相について、様々な史料や著者の推測から、 近衛前久(太政大臣, 関白など歴任)を中心とする朝廷黒幕説を展開。 これ自体は異論もあるだろうが、私自身は、せいぜい司馬遼太郎の歴史小説などで知っている程度なので、初めて聞く話や初めて知った人物が多く、面白く読めた。

京都の阿弥陀寺(門前に「織田信長公本廟」という碑があるらしい)に織田信長の墓があるという話から始まって、なぜか静岡の西山本門寺に首塚があるという話、安土城に「清涼殿」跡が発見された話、などなど。

もっとも、直接、本能寺の変に関係する話は2章までで、あとの半分は、時代背景を理解する上でのキーポイントとして、大航海時代、戦国大名とキリシタンについて書かれている。確かに、我々が知っている戦国時代の話のほとんどは、江戸時代のフィルター(価値観)を通しているものが多いのだが、著者が指摘するように、鉄砲自体は国内で作れたとしても、火薬や鉛玉を作るための原料はほとんど国内では手に入らなかったので、貿易・商人の重要性はどれだけ強調してもしすぎということはないだろう。例えば、信長が足利義昭を奉じて上洛した際、将軍となった義昭から提示された副将軍などの地位を辞退し、代わりに堺などの都市の支配権を得たという話は、江戸時代的な感覚からいくと理解がし辛いが、そのような時代背景を考えれば納得がいく。

著者が挙げる江戸史観は

  • 鎖国史観
  • 身分差別史観
  • 農本主義史観
  • 儒教史観
の4つだが、これをもとに戦国時代をみると、本質を見誤る、というのは納得できる。

イエズス会をはじめとする、キリシタンの影響についても触れられている。確かに、それだけ勢力があり、実力を恐れられたから、豊臣秀吉や徳川幕府から弾圧されたのだろう。 最後に触れられている、小石川伝通院にある千姫の墓が印象的。一度、見に行ってみたい。

2022-03-21

数学ガールの秘密ノート 複素数の広がり, 結城浩

SBクリエイティブ
2022-03-21 読了 (図書館)

実数との対比で、複素平面が語られている。その「実数」も、ベクトルのように大きさと向きを持っている、ととらえ、数直線上での動きをとらえるという話が秀逸。

正五角形をコンパスと定規(長さを測るのではなく直線を描く道具)だけで描く、のには驚いた。

2022-02-11

「第二の不可能」を追え!, Paul J. Steinhardt (著), 斉藤隆央 (訳)

The Second Kind of Impossible
みすず書房
2022年2月7日 読了(図書館)

「事実は小説よりも奇なり」と言われるが、推理小説というかミステリーのように話が進み、全く予想がつかないような展開が待っている、という、驚くような本当の話。掛け値なしに面白い。

そもそも「準結晶 (quasicrystal)」という言葉も知らなかった。結晶でもなく、アモルファスでもない、固体の第三の状態ともいうべきものを指す用語。まあ広い意味では結晶といってよいように思うが(素人の感想)。

そういう固体の状態を、数学的に考えるというような研究をしていた理論物理学者が、成り行き上というか、天然の準結晶を求めてカムチャツカへ調査に行く。しかしそれだけで終わらず、持ち帰ったサンプルの研究で、これまた驚くような発見があった話も、たくさん盛り込まれている。

研究というものは、えてして、どんな成果が得られるのかわからないことも多いが、ここまで劇的なことはなかなかないように感じる。

ミステリーの筋を書くのはネタばれになるので、これ以上詳しいことは書かないが、Richard Feynman とか、ペンローズ・タイル (Penrose tiling) とか、大御所の名前が序盤から出てきたりして、ぐいぐいと引き込まれる。