ラベル 宮部みゆき の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 宮部みゆき の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2016-10-10

理由, 宮部みゆき

朝日文庫
2016-10-10 読了 (2回目)

宮部お得意の、人物の人となりなどをエピソードを交えて描かれていくので、感情移入はしやすいが、長いので本筋を見失いやすい。
読むのが2回目というせいもあるだろうが、殺人事件の動機や他人が一緒に暮らしていた理由が弱い気がする。
文章の構成というかスタイルが、ライター(?)が事件の関係者に話を聴いたというノンフィクション風なので、これも上のように感じる要因になっているだろう。

2013-01-14

R. P. G., 宮部みゆき

集英社文庫
2013-01-14 読了 (2回目)

2001年に文庫書き下ろしで出版された作品。

何か書くと、話の筋に触れてしまうのでそれは避けたいのだが、この人の作品は、最初に読む時と、再読の時で、だいぶ印象が変わる。それはたぶん、初めて読む時の驚きというか、ある意味での興奮が大きすぎて、再読時には初めの興奮の大きさを期待するので、2回目以降ではやや期待はずれというか、肩透かしというか、そのような感じになるのではないか。

この作家の特徴として、人物の人となりを書き込むところがある。この作品はそうでもないが、割合としてそういう要素が大きいと、話の本筋というか展開の割合が相対的に少なくなるので、結果的に再読時の印象を下げる要因のひとつになっているかもしれない。

2012-03-27

名もなき毒, 宮部みゆき

2012-03-26 読了
文春文庫

なんと「誰か Somebody」の続編。まさか続編が出るとは思いもしなかった。というのも、それほどキャラクタが印象に残る、という類ではないと思っていたから。本書でもたびたび出てくるが、野心のない男、というような設定だ。とはいえ、考えてみると、今多コンツェルン会長の娘婿、その会社の広報誌編集部、という特異な役どころは、普通でない。そのような設定だと、いろいろな事件に首を突っ込ませ易いのかもしれない。

まあしかし、続編だろうがなんだろうが、本書(他の宮部作品でも同じだが)の魅力が減じるものではない。

例によって、内容には触れずにおこう。

解説によると、この作品は、2005年末まで新聞で連載され、2006年8月に単行本として出版されたらしい。その後ノベルズ版が2009年5月に出版。私の購入した文庫は2011年12月出版だ。単行本が出てから5年以上が過ぎている。もうちょっと早く文庫を出してもらいたいものだ。出版元としては、より高額で売れる版を、少しでも長く売りたいだろうから、宮部のようなベストセラー作家の作品は急いで文庫化する必要はないのだろう。

しかし小説を読むフォーマットとして、文庫が一番適していると思う。比較的安価だし、椅子に座っても、寝転がっても読める。電車の中でも取り出しやすい。反対に、単行本など、ハードカバーだし、大きいし、重いし、まったく利点が思いつかない。

日本の出版社の電子書籍に対する超保守的態度からもわかるが、読者の便宜などまったく考慮されておらず、自分たちの商売の慣習を頑なに守っているだけという気がする。

日本のマスメディアと同じで、出版業界も日本語という障壁に守られているので、まだまだ滅びないだろうが、20~30年後にそのままの形で生き残っているとは到底思えない。

と、ほとんど本作とは関係のない愚痴となってしまった。

2010-06-05

楽園, 宮部みゆき

文春文庫
2010-06-03 読了

主人公が「模倣犯」に登場したという設定なので、その内容を知っていた方が楽しめるだろうが(最初の方は特に)、「模倣犯」を読んでいない人がどう感じるかは私にはわからない。

最近の作品(「模倣犯」など)では、早い段階で犯人が登場し、犯人探しがメイントピックではないことが多い。しかしこの作品では、滋子の調査が進むにつれて、徐々に核心に進んでいくという、王道(?)。

この作者は広い意味での「超能力者」を作品に登場させることが良くあるが、この作品もそれが1つの鍵になっている。話は非常に練られているし、十分楽しめるが、「火車」でこの作家のファンになったものとしては、個人的にはその要素のない作品も読んでみたい。