2010-07-31

無駄学, 西成活裕

新潮社
2010-07-30 読了

このタイトルをはじめに見た時、「渋滞学」の著者が、まったく畑違いの分野の本を書いているのかと思ったが、本書を読み進めるうちに、その共通性に納得した。

トヨタ自動車の「カンバン方式」の解説や、山田日登志氏によるムダ取りの実例を検証する部分が圧巻。

無駄を定義するには『目的』と『期間』を明確にすることが欠かせない

最後の章は、経済成長至上主義に疑問を提起している。たしかに成長が前提になっているというのは、持続性という観点からは相容れないように思われる。とにかくインフレを進めて、名目の成長を数字上得るのが重要なのだろうか。

「無駄」という意味では、小泉政権でせっかく進んだ郵政民営化を、民主党政権下で、たいして国民の支持も得ていない国民新党のゴリ押しで、再国営化がすすめられるなど、まさに無駄以外の何ものでもない。このような政治の話はツッコミどころ満載だがあえてこの本では取り上げなかったのだろう。

2010-07-24

御嶽山 -静かなる活火山, 木股文昭

信濃毎日新聞社
2010-07-24 読了

1979年の噴火前後からこの火山の研究を通して、火山と、その地域で暮らす人々と関わってきた筆者の、時に熱く、時に優しい火山研究・防災・行政への考えが述べられている。

個人的には第6章の山麓自治体について書かれたものが興味深かった。国も地方も財政難に喘いでおり、十分な防災対策・研究にあてる予算がない状況。私も、国民の命をまもるべき国が防災関連予算をどんどん削っていて良いのか、との危機感がある。その一方で、豊かな自然にはあこがれを感じる。

2010-06-30

理系のための研究生活ガイド 第2版, 坪田一男

講談社ブルーバックス
2010-06-30? 読了

iTune までも研究生活に役立てるなど、とても面白い。

そのような細かいツールの話だけでなく、大学での研究室の選び方や研究費の獲得についてなど、参考になるものもならないものも、いろいろ情報がある。この著者は慶応大学医学部で10人規模の研究チームを率いていて、年間数億円の研究費を集めているという。さすがにここまでできる研究者はそう多くはないだろう。

学会発表に投稿したら、その発表までに論文を書いて投稿せよ、というアドバイスは非常に身にしみる。

2010-06-23

はやぶさ帰還

2003年に打ち上げられた探査機はやぶさが6/13に帰還しました。



戻ってくるタイミングで、こんな映像を撮影するための計画まであったとはすごい。



計画・実施に携わったすべての人に敬意を表します。

2010-06-06

λに歯がない, 森博嗣

講談社文庫
2010-06-06読了

犀川のセリフが印象深い。
「人間のコンテンツって何ですか?」
「信号だよ」

2010-06-05

楽園, 宮部みゆき

文春文庫
2010-06-03 読了

主人公が「模倣犯」に登場したという設定なので、その内容を知っていた方が楽しめるだろうが(最初の方は特に)、「模倣犯」を読んでいない人がどう感じるかは私にはわからない。

最近の作品(「模倣犯」など)では、早い段階で犯人が登場し、犯人探しがメイントピックではないことが多い。しかしこの作品では、滋子の調査が進むにつれて、徐々に核心に進んでいくという、王道(?)。

この作者は広い意味での「超能力者」を作品に登場させることが良くあるが、この作品もそれが1つの鍵になっている。話は非常に練られているし、十分楽しめるが、「火車」でこの作家のファンになったものとしては、個人的にはその要素のない作品も読んでみたい。

2010-05-26

Twelve Y. O., 福井晴敏

講談社文庫
2010-05-25 読了

いつもながら(?)最後ちかくまで構図が分からない。テーマは「終戦のローレライ」に似ている。この作者の問題意識なのか。