2011-07-15

ソーラー発電による温暖化・ヒートアイランド化の懸念

いわゆる再生可能エネルギーも、必ずしも環境に優しいわけではない。こちらの記事に分かりやすくまとまっている。

なかでも最近、某社の社長が熱心に推進しようとしているメガソーラー。上記の記事によると

順調に行けば年間740万kWhのエネルギーを産み出す、怪物級の太陽光発電施設だ。これは菅直人首相が止めた浜岡の5号基の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の5時間半分である。浜岡原子力発電所全体では小1時間ぐらいで、この国内最大のメガソーラー1年分の電力を生み出すことができる。

という非力さ。本気でこれで原発の肩代わりをさせようと思ったら、いったいどれだけの面積をソーラーパネルで覆い尽くさなければならないのか。

もし本当にそのようなことをしたら、上記の記事で触れられているものだけでなく、地球温暖化、もしくはヒートアイランド化に相当貢献しそうだ。

というのも、太陽光は光だけでなく熱も地表にもたらしているが、白っぽい地表面では、多くの光は反射してしまうので、熱もそれほど地面に残らない。しかしながら、ソーラーパネルでは、光エネルギーを集めるために、黒っぽい色になっている。すると、発電には直接寄与していない熱まで吸収してしまう。その熱は最終的には空気を暖めるのに使われる。

都市では、ヒートアイランド現象を少しでも緩和するために、ビルの屋上に緑地を作ってみたりとけなげな努力をしているが、メガソーラーはそのような努力を一気に無にするどころか、その地域の気温上昇に確実に貢献すると思われる。

もちろん、原発事故で住めなくなる地域が出てしまうのは非常に問題だが、だからといって「自然エネルギー」(原子力も自然エネルギーだが)に欠点がないわけではない。結局、なにか一つの方法ですべてが解決することはなく、バランスが大事ということだろう。

2011-06-26

超巨大地震に迫る 日本列島で何が起きているのか, 大木聖子, 纐纈一起

NHK出版新書
2011-06-26 読了

この本は2人の共著ということだが、あとがきによると、第4章以外は大木氏が執筆したとある。地震のその時感じたこと、悔悟、などの著者自身の思いが非常にダイレクトに伝わる。

地震・津波の基礎知識も分かりやすく、かつ簡潔にまとまっているが、ただの地震学の解説書ではないところとして、序章に「ドキュメント3.11」として地震当日の著者自身の対応、第5章で防災教育の重要性が、具体的な取り組みとともに記載されているところが目を引く。その意味では、本書のタイトルも違うもののほうが良かったかも知れない。

下記は第5章の引用文献。

ネットを検索していたら、このような会議が開かれていることを知った。直接は本書に関係ないが、メモとして。

2011-06-24

新選組始末記, 子母澤寛

中公文庫
2011-06-24 読了 (2回目?)

勢いでこちらも再読。しかしこれは小説というより、資料・回想録集という感じで、手紙などは原文のままなのか、一部読み下しもあるが漢文の候文で、非常に読みづらい。ただ作者は異なる証言がある場合などもできるだけ客観的に検討し、妥当と思われる説を採用するなど、歴史の検証が第一という感じだ。その点、司馬遼太郎の小説は読みやすいが、かなり作者の創作が多いと思われるのと対照的だ。

2011-06-23

ガラパゴス化マスメディア

国内メーカが作る携帯電話が、日本独自仕様で進化している様子を指して「ガラパゴス化ケータイ」「ガラケー」などと呼ばれている。

しかし、そのように呼んでいる日本の新聞・テレビ局などのマスメディアは、進化というかどうか不明だが(むしろ退化か)、内にこもって、規制・慣習・言語にも守られて独自の世界に安住している。ある意味で最もガラパゴス化している業界の一つではないか。当然、世界に打って出ることはないので、日本の世代構成に合わせた番組づくり(すなわち高年齢層向け)がどんどん進んでいく。タレントやキャスターも、高年齢層に馴染みのある人(みのもんた、島田紳助、ダウンタウン etc.)が何十年もずーっと出続ける一方で、若いタレント・芸人などはどんどん使い捨てられていく。まさに日本の縮図。

別に、見なければ良いので、個人的には問題はないが、多くの人が影響を受けて「世論」が作られるのでやっかいだ。結論はない。

2011-06-19

新選組血風録, 司馬遼太郎

2011-06-18 読了 (2回目?)

短編集。どの話でもほぼ必ず死人が出る。個性豊かな登場人物達のそのような異常な日常を、おかしみも交えた独特の筆致で描く。というか私の貧弱な語彙では表現できない。
最近BSで放送しているらしい。久しぶりに読んだら(前回はおそらく5年以上前)、主題くらいは記憶にあるものもあったが、筋などはほとんど忘れていて新鮮に読めた。また時代物にはまりそうだ。

2011-06-04

国会採決欠席議員は有権者の負託を無視しているのでは

6月2日に、菅内閣に対する内閣不信任決議案が反対多数で否決された。こんなときにこんなことをやっていることの是非は私が書くまでもなくいろんな人が意見を表明している。

今回気になったのが、小沢一郎ら複数の議員が採決を欠席・棄権したということ。国会議員は有権者である国民の選挙で選ばれている。そのため、少なくとも彼らに投票した人、広くは彼らの選挙区の全住民を代表して行動すべきであるはずである。しかしながら国民の負託を受けた議員が、その権利を棄権するなどあって良いことだろうか。少なくともまともな有権者なら、そのような身勝手な行動をした議員を次の選挙で信任すべきでないと思う。

欠席者・棄権者が調べたいと思っているが、その一次情報はどこだろうか。

2011-05-29

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く, 藻谷浩介

角川oneテーマ21 (新書)
2011-05-18 頃読了

よく経済には「景気の波」があるなどという空をつかむような話がされるが(それはそれで、複雑系だからいろんな変動が出るとは思うが)、この本は人口、課税所得、小売販売額といった、生活感覚に即した、かつ、推定でなく全数実測値のある指標から、内需不振の原因が生産年齢人口の減少にあると主張している。

私も以前、生産年齢人口について述べたことがあるが、私の見方はまだまだ生易しく、首都圏ですら、生産年齢人口がどんどん減少しているということに衝撃をうけた。そりゃ車に乗れる人が減っているのだから自動車など売れなくなるのも当たり前だ。

著者はしかし解決策も提示する。移民の受け入れや「少子化」対策をやっても、数百万人単位で生産年齢人口が減り続けているのを補うには焼け石に水で、
  1. 高齢富裕層から若者への所得移転
  2. 女性の就労増加
  3. 外国人観光客の受け入れ増加
を提案している。2,3はなかなか時間がかかりそうだが、1は生前贈与を促すように税制を変更するだけなので、政治が決断するだけですぐに実行できる。

問題は「少子高齢化」ではなく「生産年齢人口減少」
著者の言うとおり、問題を正しく認識しなければ、問題解決はおぼつかない。子供手当のまえに(それすらできていないのだが)やるべきことはたくさんある。