朝日新書
2011-01-01 読了
この本の内容は、著者のお二人がブログ等のメディアで発信されていることをまとめたもののようにお見受けした。
ただし、水瀬氏が現在の自身の投資スタイルにたどり着くまでの変遷は、部分的にはブログに書かれていたと思うが、そもそも投資をはじめたきっかけが今回初めて明かされている(と思う)。序章は、そこからインデックス投資の良い点・特徴などへ話が進むという構成。
面白いのは、どちらがどの部分を担当したかがわかるようになっているところ。それによって水瀬氏が実践編・商品ガイド編を担当したとわかる。その部分は簡潔に、しかし必要なことが書かれている。この部分を読んでいて、フィナンシャルプランナーなど業界とは無関係の著者がこのような「使える」内容を書いてしまうと(書けることがわかると)、本業の人はちょっと商売がやりにくくなったりしないか、などと、余計な心配をしてしまう(銀座人「みんなの投資」という先例もあるが)。
一方で、山崎氏が担当した理論編は、「誰でもリスク資産の組み合わせは同じでいい」とか「インデックスファンドの頑強性」、「外債は不要」(とまでははっきりとこの本に書かれているわけではないが)など、内容は個人的には非常に納得出来るものの、専門用語(アクティブファンドなど)がいきなり出てくるなど、記載は明らかに初心者向けでなく、全体的に見るとややアンバランスに感じる。
とは言え、みんな同じリスク資産の組み合わせで良い、と言い切ってくれたほうが、迷いがなくて良い(私は本書のお勧めにはしたがっていないが)。
2011-01-01
2010-12-29
運は数学にまかせなさい -確率・統計に学ぶ処世術, ジェフリー・S・ローゼンタール
Jeffrey S. Rosenthal, Struck by Lightning: The Curious World of Probabilities
中村義作 (監修), 柴田裕之 (訳)
ハヤカワ文庫ノンフィクション
2010-12-28 読了
一般向けの確率の本ということで、条件付き確率などの解説を期待して読んでみた。どの章も身近なものから例をとっていて非常に読みやすい。カナディアンジョーク満載なのは好みが分かれるだろうが。しかも中間部には中休みとして、短編推理小説が入っている。カナダの森博嗣と呼べるかもしれない。それは文体という意味ではないけれど。
中でも、「モンティ・ホール問題」と名づけられた、昔のクイズ番組にあったような企画の確率の解説は、3通りもの説明を記載して読者の理解を助けている。
欲を言えば、もう少しだけ高度な内容も読みたかった。ベイズの定理の説明やそれを応用した薬の治験の話など。
著者の経歴に痺れる。
中村義作 (監修), 柴田裕之 (訳)
ハヤカワ文庫ノンフィクション
2010-12-28 読了
一般向けの確率の本ということで、条件付き確率などの解説を期待して読んでみた。どの章も身近なものから例をとっていて非常に読みやすい。カナディアンジョーク満載なのは好みが分かれるだろうが。しかも中間部には中休みとして、短編推理小説が入っている。カナダの森博嗣と呼べるかもしれない。それは文体という意味ではないけれど。
中でも、「モンティ・ホール問題」と名づけられた、昔のクイズ番組にあったような企画の確率の解説は、3通りもの説明を記載して読者の理解を助けている。
欲を言えば、もう少しだけ高度な内容も読みたかった。ベイズの定理の説明やそれを応用した薬の治験の話など。
著者の経歴に痺れる。
2010-12-16
オー・マイ・ガアッ!, 浅田次郎
集英社文庫
2010-12-16 読了
作者(?)のような人も作中に登場する、ややハチャメチャなストーリー。私自身はこれを読んでも Las Vegas に行きたくなったわけではないが、それだけハマる人がいるというのは興味深く感じる。
日本もカジノを合法化すべしという話がある。公営ギャンブル(とパチンコ)に利権があってなかなか難しいだろうが、きちんと合法化することで税収が上がる利点がある。ヤミ金融やギャンブル、性風俗など、規制することで闇に隠すのでなく、合法化して税収をあげる方が現実的ではないか。
こんなことを書いていたら、全然関係ないが、なぜか成田空港のことを思い出した。成田空港は作る際にあれだけ反対運動が激しかったが、今やなくなると困る人もかなりいるはず(千葉県知事が、羽田の再国際化に文句を言っていたはず: はじめから誘致していた人も当然いたのだろうが)。
なんにせよ外部からの投資は地元にとってありがたいはずで、総理大臣が「雇用が大事」と言っているわりには企業活動に余計な口だしばかりしているが、規制緩和して、「カタギ」を増やした方が財政にも良いのではという話。
まったく脈略がなくなってしまった。
2010-12-16 読了
作者(?)のような人も作中に登場する、ややハチャメチャなストーリー。私自身はこれを読んでも Las Vegas に行きたくなったわけではないが、それだけハマる人がいるというのは興味深く感じる。
日本もカジノを合法化すべしという話がある。公営ギャンブル(とパチンコ)に利権があってなかなか難しいだろうが、きちんと合法化することで税収が上がる利点がある。ヤミ金融やギャンブル、性風俗など、規制することで闇に隠すのでなく、合法化して税収をあげる方が現実的ではないか。
こんなことを書いていたら、全然関係ないが、なぜか成田空港のことを思い出した。成田空港は作る際にあれだけ反対運動が激しかったが、今やなくなると困る人もかなりいるはず(千葉県知事が、羽田の再国際化に文句を言っていたはず: はじめから誘致していた人も当然いたのだろうが)。
なんにせよ外部からの投資は地元にとってありがたいはずで、総理大臣が「雇用が大事」と言っているわりには企業活動に余計な口だしばかりしているが、規制緩和して、「カタギ」を増やした方が財政にも良いのではという話。
まったく脈略がなくなってしまった。
2010-12-05
知的幸福の技術, 橘玲
2009-11-03 購入
2010-12-04 読了 (2回目)
昨年の今頃、文庫版が出版されてすぐに購入して読んだが、改めて読んでみた。内容的には、あとがきにあるように「世界にひとつしかない『黄金の人生設計』」などのエッセンスを集めたものに、「正しさの問題」など新しい話題が加わったものだが、時間が経過し、著者がいくつか年を取ったせいか、記述に熱さはなくなっている。むしろ一歩退いたところから、日本で暮らす人生の制約事項のいくつかを、皮肉も交えて教えてくれる。
日本メーカーの作る(日本のキャリアー用の)携帯電話は、日本ローカルの機能をどんどん追加して「進化」する様を揶揄して「ガラパゴス化」している、などといわれるが、金融・保険・不動産業界など(本作品には関係ないが、放送・新聞・農業なども)、様々な理由によって国際競争を逃れ、結果的に「ガラパゴス化」が進んでいる業界は多い(まあこれらは「進化」とはいい難いので、この形容は不適切かもしれない)。
ところでこの著者は、日本に住んでいるのだろうか。この本も文庫化に際して、執筆時から情勢が変化したものは脚注で新しい情報が加えられているのでそのようにも思われるが、しかし、情報だけなら、インターネットがあればどこからでも得ることができるので、どこにいても良いのかも知れない(余談だが、radiko.jpという、日本の中でも特定地域からしかアクセスできないサービスがあるのには驚いた)。
この著者の本を読むと、いつもながら、経済的な自由を達成しなければ真の自由は得られない、という事実を思い知らせてくれる。それでなくても、昨今の亡国的な政治状況をみると、ほとほと愛想を尽かせたくなる。
2010-12-04 読了 (2回目)
昨年の今頃、文庫版が出版されてすぐに購入して読んだが、改めて読んでみた。内容的には、あとがきにあるように「世界にひとつしかない『黄金の人生設計』」などのエッセンスを集めたものに、「正しさの問題」など新しい話題が加わったものだが、時間が経過し、著者がいくつか年を取ったせいか、記述に熱さはなくなっている。むしろ一歩退いたところから、日本で暮らす人生の制約事項のいくつかを、皮肉も交えて教えてくれる。
日本メーカーの作る(日本のキャリアー用の)携帯電話は、日本ローカルの機能をどんどん追加して「進化」する様を揶揄して「ガラパゴス化」している、などといわれるが、金融・保険・不動産業界など(本作品には関係ないが、放送・新聞・農業なども)、様々な理由によって国際競争を逃れ、結果的に「ガラパゴス化」が進んでいる業界は多い(まあこれらは「進化」とはいい難いので、この形容は不適切かもしれない)。
ところでこの著者は、日本に住んでいるのだろうか。この本も文庫化に際して、執筆時から情勢が変化したものは脚注で新しい情報が加えられているのでそのようにも思われるが、しかし、情報だけなら、インターネットがあればどこからでも得ることができるので、どこにいても良いのかも知れない(余談だが、radiko.jpという、日本の中でも特定地域からしかアクセスできないサービスがあるのには驚いた)。
この著者の本を読むと、いつもながら、経済的な自由を達成しなければ真の自由は得られない、という事実を思い知らせてくれる。それでなくても、昨今の亡国的な政治状況をみると、ほとほと愛想を尽かせたくなる。
2010-11-21
2010-11-17
亜玖夢博士のマインドサイエンス入門, 橘玲
文芸春秋
2010-11-16 読了
前作は経済学の理論などの話だったが、同じ登場人物が出るとはいえ、続編と思っていると良い意味で期待を裏切られた。とんでもないスケールのSF小説だが、原理的には実現可能な技術とも思え、荒唐無稽と切って捨てることができないところが恐ろしい。
それにしてもこの著者の、難しい概念を分かりやすく説明するやりかたには感心する。この作品では例えば、数論理学の基本「ある論理式とその対偶の真偽は等しい」という本質は同じ問題を出されたときに、抽象的な問題だと難しく感じるが、「居酒屋で酒を飲む未成年者」などの「裏切り者」をみつけるような問題では、すぐに正解にたどり着く、というくだりが印象に残る。(「第2講 進化心理学」)
そのほかにも興味深い研究の話がたくさん紹介されている。
2010-11-16 読了
前作は経済学の理論などの話だったが、同じ登場人物が出るとはいえ、続編と思っていると良い意味で期待を裏切られた。とんでもないスケールのSF小説だが、原理的には実現可能な技術とも思え、荒唐無稽と切って捨てることができないところが恐ろしい。
それにしてもこの著者の、難しい概念を分かりやすく説明するやりかたには感心する。この作品では例えば、数論理学の基本「ある論理式とその対偶の真偽は等しい」という本質は同じ問題を出されたときに、抽象的な問題だと難しく感じるが、「居酒屋で酒を飲む未成年者」などの「裏切り者」をみつけるような問題では、すぐに正解にたどり着く、というくだりが印象に残る。(「第2講 進化心理学」)
そのほかにも興味深い研究の話がたくさん紹介されている。
- robot rat
- Benjamin Libet 準備電位
2010-11-03
プレートテクトニクスの拒絶と受容, 泊次郎
東京大学出版会
2010-11-01 読了
プレートテクトニクスはトマスクーンの言う「パラダイム」の例だと言われることがある。その可否はともかくとしても、地球科学の上での大きなパラダイムシフトがどのように進行したか、膨大な資料をもとに、具体的なhistoryを知ることができる。
プレートテクトニクス「革命」を概観するにも、過去の地球科学分野でどのような営みがあったかを知るにも、よいまとめ。
「あとがき」の下記部分がよい。
2010-11-01 読了
プレートテクトニクスはトマスクーンの言う「パラダイム」の例だと言われることがある。その可否はともかくとしても、地球科学の上での大きなパラダイムシフトがどのように進行したか、膨大な資料をもとに、具体的なhistoryを知ることができる。
プレートテクトニクス「革命」を概観するにも、過去の地球科学分野でどのような営みがあったかを知るにも、よいまとめ。
「あとがき」の下記部分がよい。
「科学とはただ1つの真理を求める活動である」と理解している人も少なくないようですが,自然を理解するにはさまざまな解釈がありえます.その解釈には,そのときどきの社会・政治情勢や科学者集団内部の権力・利害関係などさまざまな要素がからんできます.科学とは自然を忠実に模写したものではありえず,科学者集団による社会的な営みとしての側面を持つものなのです.「日本でのプレートテクトニクスの拒絶と受容」というフィルターを通して見えてきたのも,そうした現実の人間味あふれる科学でした.現在進行中の科学もこうした社会的なさまざまな要素がからみ合って営まれていることを,理解して欲しいと思うのです.
登録:
投稿 (Atom)